投票行動
国民を裏切った民主党の惨敗。その代わりに国民は自公政権を選んだのか。ところが票数で見ると自民党も、公明党も前回2009年から減らしている。自公民3党連合にNOの意志はちゃんと投票行動に現れている。
民主党は比例で2000万票失っているが、そのうち1000万票は今回棄権。残り1000万票は「維新」や「みんな」に行ったということのようだ。
自民党も、公明党も得票を減らしながら、それでも議席で圧勝は選挙制度の歪み。
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政治を変える
原発推進勢力が国会で多数を占める中、一時はすべての原発が止まった。その力になったものが何であったかを思い起こそう。福島第1原発の過酷事故を予見した吉井英勝議員の警告は、残念ながら事故を未然に防ぐことはできなかった。しかし事故後この国会質問の記録がネットで話題になり、あの事故は天災ではなく人災だったことが衆知となった。原発技術の未熟さ、安全基準の甘さが問題となったことで原発の再稼働はできなくなったのだった。
途中で玄海原発が再稼働されようとしたとき、いわゆる「やらせメール」の内部告発が『しんぶん赤旗』に持ち込まれ、国会でも取り上げられて再稼働が断念されたこと、ネットに端を発した官邸前抗議行動、大阪市長、滋賀県知事などの裏切りで大飯原発が再稼働されたことなども大きなエピソードだ。その中でも吉井議員の国会質問の意義は大きい。
ところで吉井議員は2005年の総選挙で比例近畿ブロック定数29の最下位で当選している。この議席がなかったら、あの歴史的な国会質問も無かったかもしれない。
あなたの1票、さらに家族、友人、知人の5票、10票が、あるいはたったの1議席が政治を変え、歴史を変える。この力を確信しよう。
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道州制
あまり争点に上がってこないのだが、各党の政策を見ると「道州制」という言葉が並んでいる。道州制を目指すということはすなわち憲法を変えようとしているってことね。道州制の内容に踏み込むことはここでは避けるけれど、私が気になることを一つ書いておく。これを述べるときに「地方分権」が枕詞になっているが、「地方自治」とは決して言わない。国の「統治機構を変える」のだとか。
現行憲法に「地方自治」は記されているが「統治」という言葉はどこにも無い。これは戦前の大日本国憲法で使われた言葉だ。
大日本国憲法第1条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス
右翼政治家がこの言葉を使うのはともかく、マスコミ論調にも批判抜きでこの言葉が登場することに空恐ろしいものを感じる。例えば『社説:2012衆院選 日本の針路…統治の仕組み』(毎日新聞社説 2012年11月26日)など。
ところで、大阪市を潰す大阪都構想をメインイシューに結成した地域政党が、国政に進出するにあたって、その大阪府(都?)を潰す道州制を掲げているのは苦笑するしかないのだが、その骨太方針とやらもあきれるものだ。
憲法改正(……条例の上書き権…) (骨太2013〜2016、p7)
じっさい大阪には憲法が通用しないのかと思われるひどいことになっているのだが。条例が憲法を無視してよいということは、国家そのものの否定ではないか。こんどは国をつぶしますか……。
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国防軍(2)治安出動
暴走老人曰く「今度の選挙で自民党が過半数を取るのだろう。そしたら憲法を改正して欲しい。我々も賛成しますよ。」と、言うので自民党の「日本国憲法改正草案」を見てみた。天皇を元首とするとかいろいろ物議はあるけれど、現行憲法9条をどう変えようというのか、「国防軍」とは何かが気になって一読し、おったまげた。日本国憲法改正草案第9条第2項: 前項(戦争の放棄)は「自衛権の発動を妨げるものではない」
「国防軍」は続く第9条の2で規定している。
日本国憲法改正草案第9条の2: 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
ふむふむ。他国から攻められたときに出動するのが国防軍ね。だが、他に2つ、国防軍が出動するケースがある。
日本国憲法改正草案第9条の2第3項: 「国防軍は、第1項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。」
前半は「集団自衛権」すなわち日本が攻められなくともアメリカの仕掛けた戦争にも派兵できるというもの。ここまではすでに見たとおり。
第9条の2第3項の後半には重大なことが書かれている。「公の秩序」「国民の生命もしくは自由」を守るためならば国内で自国民に対しても銃口を向けても良いとされる。
戦前の大日本帝国憲法下で軍隊は天皇の指揮下にあり、憲法の外だった。その軍隊は中国大陸やアジア各地で、朝鮮半島と台湾で暴虐を尽くしたが、日本国内(本土)で自国民に銃口を向けることは(あまり)なかった。それは特別高等警察の仕事だった。
軍隊が自国民に対して銃口を向けてはならないというのは近代国家の常識(映画『マーシャル・ロー』などを見よ)。改正憲法を起草するなら、それくらいの常識は持ち合わせてほしい。
近代国家の常識を記しておく。国民の生命と財産を守るために近代国家には3つの組織がある。警察と消防、それに軍隊。この3つの分担は、国民の生命、財産を脅かす相手が誰かによる。それが不逞の輩=人間の場合は警察、その他の事故や自然災害、あるいは病気などの場合は消防が管轄となる。軍はそれが他国の場合に限られる。自国民に銃口を向けることができるのは警察だけ。あるいは消防はたとえば延焼を防ぐために隣家の住民を追い出し、家屋を強制的に壊すことも許される。
しかし、軍は自国民に対していずれの強制力も行使することができない。これが歴史の経験を経ての近代国家の常識だ。老人ひとりの暴走ならばともかく、これが一政党の正式決定の案とは日本も恐ろしい時代に入ったものだ。
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賢く強くする
我が家に今回衆院選挙の広報が届いた。ひととおり候補者、政党の政策をチェックしてみる。で、比例代表の政策を見ようとして唖然とした。「日本を賢く強くする」とのスローガン。その中身は……「1.経済・財政を賢く強くする」、「2.社会保障を賢く強くする」、などなど、お題目だけが並び、その内容の記載はいっさい無い。
有権者を馬鹿にするにもほどがある。しかし考えてみれば選挙のための寄せ集めで、具体的政策になると纏まりが付かなかったのだろう。なにしろ暴走老人の党首が自党の政策を知らないくらいだから。
でもその中で一致したものはあるらしい。「自主憲法の制定」がそれ。現行の平和憲法は占領軍による押し付けだから気に入らないという、そこだけは一致しているらしい。
あとは比例と選挙区候補者の顔写真が並ぶ。その顔ぶれはかっての芸人やテレビでおなじみの右翼(近畿ブロックの選挙広報)。これらの面々が賢いとは思えないし、この党に投票する選挙民のことも私は賢いとは思えない。
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