消費税のウソ(2)輸出戻し税

さきの記事で、消費税を上げても税収は上がらないどころか、消費税が税の減収の原因になっていることを見た。税収の面から、日本経済の面から明らかに悪でしかない消費税増税で、いったい誰が得をするのか?

「財政再建のために」「社会保障の維持のため」「消費税増税は止むをえない」というのはまったくのウソだ。
また、「誰もが公平に負担する」というのも大嘘だ。低所得者ほど重くのし掛り、中小事業者には重く、大企業はほとんど負担していない。

何よりも輸出大企業には「輸出戻し税」というものがある。少し古い統計だが、こちらを見ていただこう。消費税収はおよそ10兆円だが、輸出戻し税は総額1兆円となる。上位に輸出大企業の名前が並ぶ。

トップのトヨタ5年推移(←宮武嶺教授のブログです。ほかにも消費税のカラクリが図解されていて分りやすい。)

トヨタの2012年3月の連結決算を使うと、純利益2,800億円。この期の輸出戻し税は輸出売上高の4%(正しくは仕入れ額×5%)と見込んでて2,000億円だから、利益の7割を占める。

さて、「輸出戻し税」とは何だろうか。消費税は国内での消費に掛かるもので、輸出に対しては掛からない。なのですでに払った(であろう)消費税を戻すとういうのは理屈だ。

しかし、じっさいに消費税を払ったのはトヨタに部品などを収めている下請け企業。収め過ぎた税金は普通、それを収めた納税者に還付される。ところが消費税の場合、それを最終製品を輸出するトヨタに支払う。ここにごまかしがある。

消費税のウソ(1)税収
消費税のウソ(2)戻し税
消費税のウソ(3)誰が払うのか
消費税のウソ(4)TPPと消費税

Posted on 28 Dec 2012, 19:35 - カテゴリ: 消費税
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コメント:

Posted on 28 Feb 2017, 16:11 by 通りすがり
輸出は税金泥棒
まず課税とは「租税を義務者に割り当てること」(コトバンクより)
法の下で義務を課して国家権力を行使する強制徴収であり、
商取引上での代金や料金の負担とは異なる。

次に消費税について簡単に説明。
ソースは国税庁のHPより「消費税のしくみ」を参照。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/shou301.htm

■消費税の納税義務者は事業者。
事業者が取引で得た粗利益に一定税率を課税して付加価値税相当を徴収する事業税。

■消費者については(商取引上の)負担者と説明しており、消費者には課税していない。

つまり、商取引上で販売価格に一定税率の取引料金相当を上乗せする形であり、
消費者に法的義務を課して(消費)税としての課税徴収するものではなく、商取引上での取引料(消費料、間接料)というべき罰金相当である。
一般的なリアル消費者は現実の経済活動において家計事情もあり各種節約行動を取って取引料金の負担を回避する。
よって、消費税は消費市場に罰金を課し、生産企業に対して取引懲罰金を課税徴収して消費市場と企業活動の両面を押さえ込んで経済活動を抑制し雇用条件を切り下げる悪税と言える。

以下本題。
(1)輸出は下請けに(消費)税を払っているは嘘。
下請け事業者の場合、取引相手の輸出大企業が消費者に相当するから、(下請けが)輸出大企業に対して法的納税義務を課して消費税を課税している訳ではない。
故に、「輸出は下請けに消費税を払った」とは言えない。
にも拘わらず、輸出大企業は(下請けから)消費税を課税されたことにして不当に還付を受けている。

(2)海外地で消費税を取れない。
これも課税の論理をすり替えて輸出大企業の租税逃れを正当化する詭弁に過ぎない。
消費税は事業者に納税義務を課す事業者課税であり国内外問わず消費(者)に対する課税ではない。
仮に国内の輸出事業者に付加価値税の納税義務を課したとして外国地に対して日本の法的な納税義務が及ぶことはない。
故に、国内企業と差別して付加価値税の事業課税を逃れる正当性は無い。

以上より、国税庁が介在して課税権力を悪用し、中小企業に事業課税で自腹を切らせて売上税相当(注※)の利益を巻き上げて、輸出大企業に売上税相当の利益を還流させる税金泥棒行為と言える。
故に、消費税は輸出大企業の租税逃れを支援し、税金泥棒による税金減で財政再建を阻害すると言える。

(注※)売上税相当…各下請け中小企業群から課税徴収した付加価値税の合計
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