伝統工法?万博のフェイク
大阪・関西万博2025会場で圧倒的存在感を示す大屋根リング。京都の「清水寺と同じ工法」と誤解して発信されている方がいるが、それは間違い。通産省のページに『京都の清水寺に代表される「貫(ぬき)工法」と言われる工法を基にした建築技術が用いられています。』とあるから、そう思うのもしかたがない。同時に「伝統的な工法に最新の技術を織り交ぜ」とあり、これに沿った説明する人もいる。万博協会の公式ページを見てみよう。
「伝統的な貫(ぬき)接合に、現代の工法を加えて建築しています。」とある。貫工法ではなく、貫接合としている。木の組み方は貫だが、工法は現代のものだと言っている。つまり別の工法でありながら、見かけだけ清水寺に似せたフェイク。
2022年7月13日、これを計画した藤本壮介氏が「京都の清水寺の舞台を彷彿とさせる木造の貫工法で伝統と未来を繋ぐ試み」と、言っているので、マスコミ各社が「清水寺の舞台の工法も応用」と報じたのは間違いではない。しかし吉村大阪府知事などが「清水寺にも使われている釘一本使わない貫工法」と言ってしまった。
その後、工事中の写真から、鋼板やボルトが使われていると指摘され、2023年11月24日には国会で「釘やボルトも使っている」との政府答弁があった(立憲民主党。森山浩行議員の質問に)。
じっさいの工法は読売新聞の記事が詳しい。
伝統工法でもなんでもないものを「伝統的な工法に最新の技術を織り交ぜ」と言ってみたり、地上を走ることができない小型ヘリ(あるいは大型ドローン)を「空飛ぶクルマ」と呼んでみたり、運転手が居ないと大事故になりかねない「無人運転バス」。この万博にはフェイクが多すぎる。
そういえば日本館の目玉「火星の石」って、地球上に落ちてたのを拾ったものなのね。
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