中国で人件費高騰の理由

日本の人件費は高く、人件費の安い中国に工場を建てることが流行った時期がある。その中国も人件費が上がってきて、いまはベトナム、これからはミャンマーなどが有望視される。

なぜ中国での人件費は上昇したのか。需要と供給で説明することを試みるより、中国へ世界からの企業進出のおかげで中国人の生活水準が上がったと説明するほうが早いだろう。

さて日本では社会保障費の増大で財政は逼迫。増税するか社会保障を縮小するか……という議論もなされている。「税と社会保障の一体改革」がそれ。

しかしさきに見たように消費税増税しても税収が増える見込みがない。消費税増税に先行して大企業減税を実施するなど、財務省には財政赤字を改善しようとする気が見えない。

じつは政府の財政赤字は意識して作られたものではないかという気が私はしている。そのことはさておき、もし財政赤字を改善するのが目的ではないとしたら、生活保護基準引き下げなど社会保障削減の本当の狙いは何なのか?私の推測の楽しみは続く。

想像するに日本の生活水準を全般的に引き下げることそのものが目的なのではないだろうか。

日本国憲法第25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とある。この「最低生活」を、贅沢言わず辛うじて生命を繋ぐギリギリまで下げ、それと近い低所得者層をたくさん作る。そうすれば日本での人件費も安上がりになって、国内での企業活動も楽になる。……そのような絵を描いているのではないかと。このデフレ不況、高失業率の下で公務員の人員削減や賃金カットも、そのシナリオならば理由が付く。

しかし、このシナリオは成功しない。続きはこちら

Posted on 28 Jan 2013, 13:20 - カテゴリ: 経済
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橋下さんの深謀遠慮

下大阪市長の意向を受けて大阪市教育委員会は桜宮高校体育科の入試中止を決めたが、在校生、保護者はこれに反発している。この一連について東芝弘明さんのツイートに私は同感する。

桜宮高校への橋下さんの圧力の醜さ、大阪市教育委員会のふがいなさ、桜宮高校生のすばらしさ。今日は、若者に希望を感じ、教育委員会に失望し、維新の会の傲慢さを味わった日になった。高校生、がんばれ、大人もがんばろう。
東芝弘明さん (@sibaapple) 1月 21, 2013

これとは異なる考えの人もいるだろう。今回の橋下の行動は賞賛されるべきで、反発する在校生は自分勝手あるいは傲慢と考える人も。

橋下徹はそのポピュリズム的政治手法を批判されており、今回の入試中止や教員総入れ替えの提案もパフォーマンスだとも指摘されている。しかしいつも思うのだが、われわれ大衆はそのようなことを望んだのだろうか?

体罰(「暴力事件」?)で自殺者を出した桜宮高校の事件を聞いて、「そんな学校は潰してしまえ」と、どれほどの人が思ったのか。犠牲者の父母が「息子の命を奪った学校は消えてしまっていい」と語ったとも聞かない。

いまネットでは橋下を賞賛し、それに反発する生徒をバッシングする声が見られる。この人たちに今回の入試中止についての意見を問うならば「そのくらいのショック療法は必要」と答えるのだろう。しかしその人たちも当初は「橋下さん、ちょっと過激」と思ったのではないだろうか。

賛否ありそうな問題に橋下は「こっち」と決め付け、それをどんな手を使ってでも強引に進めようとする。そういうところを「危険」と感じるか「頼もしい」と感じるかで分かれるのだろう。
「橋下さんの言うことは乱暴かもしれないが、きっと橋下さんには深謀遠慮があるのだろう」と判断を預けてしまっていいのか。またどんな手を使ってもいいのか。その2つをよく考えねばならないと思う。

ブログ内の関連記事:「おまえが言うな」

Posted on 28 Jan 2013, 13:22 - カテゴリ: 右傾化とハシズム
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ツイッターを始めてみた

何かまだよく分かっていないけれど、Twitterのアカウントを作った。

@ShinobarTweetさんをフォロー

Posted on 22 Jan 2013, 22:39 - カテゴリ: パソコン
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おまえが言うな

大阪市立桜宮高校生が2012年12月23日、体罰を苦に自殺した(産経West)問題で、橋下徹大阪市長の暴走が止まらない。

2013年1月10日「市教委には任せられない。僕が指揮を執る」と宣言、1月17日には同校体育系2科の入試中止や教員総入れ替えに慎重な市教委に対して予算を“人質”に圧力をかけた(産経West)。毎度の彼の過激な言動は一部にはウケるのかもしれない。だがここまで来ると狂気の沙汰。

「おまえが言うな」といいたい。橋下徹は「教育は2万パーセント強制」と述べ「いじめ行為に加担していた自分の子供を(体罰として)50分近くも投げ続けた」と告白、暴力を暴力で対抗する人物だ。彼が率いる維新の会の教育基本条例の最初の案には体罰を容認する条項があった(朝日新聞)。むしろこの前大阪府知事、現大阪市長の姿勢が、今回のような事件を引き起こす背景のひとつではないかとも考えられるのだ。

力づくで服従させるって、体罰と同じ論理でしょ。そういえば橋下徹は大阪府知事時代に部下をパワハラで自殺に追いやっている(現代ビジネス)。

参考リンク:
1. 「橋下知事の体罰肯定発言」(やすいゆたかの部屋ブログ)
2. 体罰肯定派だったはずの橋下さんが、都合よく体罰絶対反対の正義漢になって教育支配に乗り出している件(togetter)

Posted on 23 Jan 2013, 19:14 - カテゴリ: 右傾化とハシズム
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排外主義

国内の問題から目を逸らすため、外国の脅威を煽ることは常套の手法だ。しかし、いわゆるネット右翼のそれは戦前ドイツのナチズムとあまりに似すぎ。

ドイツは第1次世界大戦で敗れ、戦勝国である英国、フランスなどから多額の賠償金を負わされる(ベルサイユ条約)。戦後は当時先進の民主的憲法(ワイマール憲法)の下で共和制を歩む。しかし大統領は旧保守派、議会第1党は社会民主党という「ねじれ」で政情は不安定だった。その状況下で国民の期待を得たのがナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)だった。

ナチスはドイツ窮乏の原因は戦勝国が押し付けたベルサイユ条約、それと戦えないワイマール体制、それらを裏で操るユダヤにあるとした。

いまの日本の問題は戦後レジーム(=ヤルタ・ポツダム体制)にあり、反日勢力と呼応する在日コリアンを打倒すべき敵とするネット右翼の主張がこれと瓜二つなことに驚く。

ヨーロッパにおける反ユダヤ感情は根深い。シェイクスピアによる戯曲『ベニスの商人』には強欲なユダヤ人の金貸しが登場する。第1次大戦のころヨーロッパで有力な金融資本ロスチャイルド家はユダヤ系ドイツ人だったという。国が勝っても負けても戦費を貸した金融資本はちゃっかり潤う。彼らを「我々が戦場で流した血を吸って肥太る蛭」と、ヒトラーは呼んだ。

しかしこの喧伝とは裏腹に、実際に迫害を受けた多くは貧しいユダヤ人たちなど社会的弱者だった。日本の右翼が在日コリアンを排撃するのに「彼らがパチンコ業界を牛耳っていて」云々を持ち出すのは、ナチスが「死の商人」たる国際金融資本を批判したのに比べるとスケールはかなり小さい。いずれにせよじっさいは弱い者いじめにすぎないことは共通している。

当サイト内の関連ページ:
「ヒトラーの時代と戦前の日本(橋下徹はヒトラーになれるか?の後半部分)」

Posted on 15 Jan 2013, 20:57 - カテゴリ: 右傾化とハシズム
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