美浜原発のリプレース

2013年2月5日、定期点検中の美浜原発1号機で非常用発電機から黒煙(福井新聞 2013年2月7日)

ちょうどこの事故の前日、美浜町原子力懇談会で、町側から「津波やテロへの対応など基準が重くなってきて、再稼働できるのか不安に思う。古い原発は廃炉にしてリプレースと言い続けたい」と訴える意見が出ていた。(毎日 地方版 2013年02月06日)

美浜原発は1970-76年運転開始で最古と言ってよい。過去に大事故も起こしており、もうボロボロ。予定の新安全基準のもとで再稼働できる見通しは極めて薄い。「廃炉にしてリプレース」は現実的な選択だ。しかし、また同じ原発でリプレースしなければならない理由などまったく無い。

(銀座ホステスnicoさんとの会話から)

写真は美浜原発3号機内部。2004年の事故で破裂した主給水管(2004/9/8「しんぶん赤旗」より)


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フクシマを契機に日本の原発はどれほど安全になったか

Posted on 7 Feb 2013, 13:45 - カテゴリ: 原発
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住友家への恩返し

大阪市立美術館の廃止論議で「美術館用地を寄贈した住友家の意思を裏切る」という批判がある(togetterまとめ)。これは誤解。

美術館だけではなく動物園も、天王寺公園一帯を民間に払い下げ、住友家にお返ししようということ。難波からLRTを引いて付加価値を上げるというおまけも付けて。

中之島ミュージアムアイランド構想の基本も、民間が稼いでいただくこと(大阪都市魅力想像戦略)。すで来ていただいている京阪電鉄には儲かってもらわねばならない。将来はベイエリアまで延伸。そこにはクルーズ客船の母港化カジノ建設。中国のお金持ちを呼び込んでお金を落としてもらう。

ベイエリアの土地を取得する住友商事さんなどへのせめてもの恩返し。獲らぬタヌキの大阪オリンピック、WTCへの府庁移転もままならず、大変迷惑を掛けた。それを挽回しようとするこの努力を分かってもらえないだろうか。……と、橋下市長の意を代弁しておく。(写真はJCP OSAKAから)


参考リンク:
「ゼネコン、銀行」に貢ぐ大阪「維新の会」

Posted on 10 Feb 2013, 8:21 - カテゴリ: 右傾化とハシズム
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米国と比較する日本の外需だのみ

各国の自動車販売台数。いまや世界最大の自動車市場は中国で、2位が米国、3位が日本となっている。(2012年通商白書より、上位3ヶ国のみ取り出した。)


この図を見ていろんなことを思い浮かべるだろう。中国は重要な市場。米国や日本が中国を手放すはずがない。など。

米国の2009年はご存知リーマンショック。だがその後伸びている。同じ時期に日本は縮小している。米国は国内需要を持ち直しているのに対し、日本はますます外需だのみになっていることを示している。

米国のGDPは2011年にはリーマンショック前を回復している(アメリカ経済ニュースBlog)。米国が大幅な金融緩和策で切り抜けたことは知られている。しかし、すでに日本は米国を超える金融緩和を続けてきた(主要国の政策金利の推移図)。その効果が現れないのは日本の場合、国内需要が低迷していることにひとつの理由がある。

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物が売れなきゃ始まらない

Posted on 4 Feb 2013, 15:00 - カテゴリ: 経済
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尼寺へ行け

洋の東西を問わず女性にとって髪は命。それを剃ることは世を捨てることを意味した。かと思えばアイドルグループの一員であることを捨てられないための坊主頭だという。いや、このグループAKB48が宗教だとするとやはり「出家」なのか。

そんなコメントで済ましたいところだが、当人の弁明の次の部分が気になった。
「メンバーにも事務所の人間にも、誰にも相談せずに、坊主にすることを自分で決めました。」

もし相談の上ならばイジメ、パワハラ、あるいはリンチ事件となる。そのことを分かってのこの文言だと思う。本当に自発的かも疑わしい。週刊誌発売日に合わせた謝罪ビデオ公開などその後の動きは、これがシナリオがあってのプロモーションと勘ぐられて当然だ。

その視点での批判が少ないことを私は危惧するのだが、引用(1)ヤフーニュースのネット調査で「やりすぎ」の声が多数であったとに、とりあえず胸を撫で下ろす。杏野はるな氏のコメント(引用2)も頼もしい。

ナチスによる迫害を受けたユダヤ女性への連想など、西欧文化には女性の丸刈りには陵辱あるいはリンチのイメージが強くつきまとう。引用(3)の石井孝明氏が紹介するロバート・キャパの写真は有名で、このプロットは2000年公開のイタリア映画『マレーナ』(写真)(Wikipedia)でもそっくり使われている。


AKB48をプロモートしてきた人物は現在のネット社会で西欧メディアへの影響も当然読めるはずだし、国内での反発も十分予想しただろう。その損得勘定の上で今回のシナリオだとすると、大衆はその程度と見られていることは哀しいことだ。

引用
1. 『丸坊主に「やりすぎ」が64%』(瞬刊リサーチ)
2. 「坊主になることが反省なのか? そしてメディアのあり方。」(杏野はるな)
3. 「女性の丸刈りを映す2つの異様な写真」(石井 孝明)

Posted on 2 Feb 2013, 10:44 - カテゴリ: その他
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「賃金奴隷」の崩壊

さきに私は人口ピラミッドを示して、少子高齢化が社会保障負担の増大にそのまま繋がらないとした。では何が変わったのか。

かって終身雇用の時代には、労働者の子女の養育は企業が面倒をみていた。家族手当はその一例。公はそれから外れる高齢者や母子家庭などを看ればよい。そういう分担ができていた。

なぜそういう分担ができたかというと、企業にとってその利益の源泉である労働者が、将来に渡っても存続してもらわないと困る。労働者の子女は将来の金の卵で、それを養うことは企業にとっても必要だったから。対して働けなくなった高齢者は企業には必要ない。これは公に任されたのだった。

そういうわけで少子高齢化は高齢者の生活を保護する公の負担を必然的に大きくする。だが公が面倒みなければならない階層は高齢者に止まらない。

小泉政権以来、非正規雇用の比重が大きくなる。彼らは企業にとって使い捨ての人材となる。終身雇用を賃金奴隷と例えるられるかもしれないが、非正規雇用に至るとすでに奴隷とは言えない。単に市場で買うことの出きる生産器材でしかない。奴隷ならばそれが長生きし子供も生んで殖えてくれると、奴隷主にとって嬉しいではないか。できれば病気などもしないよう大切に使うだろう。しかし器材ならば、古くなったり故障すれば買い換えたほうが経済的かもしれぬ。

高度経済成長から停滞期に入る。終身雇用制は崩れ、労働力の流動化が目指されると、失業者は増え、職にありついても家族を養うには充分でない収入。企業が労働者階級の存続さえ責任を負わなくなった現在、公が面倒を見なければならないのは高齢者と子供たち、加えて増大する失業者と、広範に広がったのは必然の結果だった。


Posted on 28 Jan 2013, 15:43 - カテゴリ: 経済
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