牛乳粥
大阪・関西万博2025 に2度足を運び、4つの海外グルメを堪能したので、順次紹介していく。私の万博グルメ旅1回目は4月15日(火)。開幕3日目で、荒天ということもあって、来場者は4万6千人。たぶんこれが万博期間中最低記録となるだろう。以降は6万〜10万人が続いている。
この日は西ゲートに朝10時半到着。チケット引換所で当日ケットを購入。これにはQRコードが印刷されていて、万博IDもスマホも必要ない。この時間、入場ゲートはガラガラで、すんなり入れた。
サウジアラビア王国パビリオンは建物正面右側に展示室への列。これとは別に正面左側にレストランの待ち列がある。階段を登った2階にソファー席、その奥か上かに座敷席があり、テラス席もあるという。万博会場中最強と私は思っている。この日、12時ちょうどに並んで2時間待ちだった。休日だと4時間待ちとも聞く。開店も受付も11時から。すでに10時ごろから多くの人が近くで待機している。開店前に整理券を配るなど改善を期待したい。日本語が話せるスタッフは一人だけだが丁寧。
メニューは「小皿」、「大皿」、「シェア」とデザート、ドリンク。待機中にサウジ・コーヒーのサービスがあったのでドリンクなどをパスし、私は大皿料理のうちの一つを注文した(2,000円)。写真では分からないが皿が大きいだけで、ポーションがあまりに小さい。水とおしぼりが出てきたのはちょっと驚き。
鶏のテリーヌらしきものにバジルソース。美味しかった。これに付いてきたのが牛乳粥。「牛乳粥の旅」の記事で取り上げたものとは違って、砂糖が使われておらず、チキン・ブイヨンと牛乳で炊きあげられている。中華料理の粥にミルクを加えたような味わい。アラビアン・ナイトに出てくる「クリーム飯」は、むしろこちらのものかも知れない。
サウジアラビア王国館レストランのメニュー→こちらから

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私の万博グルメ旅
大阪・関西万博2025会場まで1時間なので、とりあえず一度は行ってみようと思った。漠然と行ってもそれなりに楽しめるかもしれないが、焦点を決めておきたい。ネット情報によると、そこかしこ映像が多用されているようだ。それならバーチャル万博で構わない。「火星の石」やら「月の石」なんて、見かけはただの石ころ。私は目が弱いので、展示の説明文も読みにくい。なのでパビリオンの展示には期待しない。そこで各国のグルメを楽しみたいと思う。こんな機会はまたと無い。
自分は大阪堺市在住なので、万博で大阪グルメなんか食べたくない。イタリア料理やフランス料理、ドイツ料理だって、大阪市内にいくらでもある。韓国料理なら大阪は本場さながら。
というわけで、アフリカ料理も気になるが、今回は中東料理にターゲットを絞った。次の3つを今回のミッションとする。
1. 中東料理:サウジアラビア王国館で牛乳粥と、アラブ首長国連邦(UAE)の炊き込みご飯。いずれもアラビアンナイトに登場する。
2. オランダのニシンの塩漬け(ハーリング)
3. チェコのビール

写真はサウジアラビア王国パビリオン併設レストランの内部
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人気パビリオンの秘密
大阪・関西万博2025 は「並ばない万博」を標榜したが、いたるところで並ぶ。とりわけ人気パビリオンには長蛇の列。予約ができないアメリカ館やフランス館。予約可能なイタリア館も予約枠は2ヶ月先まで埋まっており、予約なしで受付の列も最長クラス。これらの「人気館」には共通点がある。オランダ館は予約のみ。なのに行列ができる不思議。オランダ館の行列の理由を解くと、長蛇の列をなす人気館の理由も分かってくる。
オランダ館の予約は30分単位。最初の枠は10:30-11:00(それまでは予約なしの先着順)。予約した時間に訪れると列に並ばされる。先頭から30人ほどが館内に案内され、また5分ほどして次のグループが案内される。こうして最長30分待たされることになる。(それぞれの数字はおおよその推定。)
館内のルートは一直線(ほんとは折れ線)で、最後にミニシアターでムービーを見せられる。すなわちこのシアターの席数×上映時間が処理速度になる。アメリカ館もグループ毎に案内人が誘導し、最後の部屋でロケット発射のイベントとなる。イタリア館は冒頭に映像が映し出され、それが終わってスクリーンが開いて入場となる。すなわちこれらの館は時間あたりの処理人数が固定されている。
いっぽうUAE(アラブ首長国連邦)には行列がまったく無い。(あるのはカフェへの行列。)なぜかというと館内に展示物が散在して置かれ、観覧ルートは定められていない。観客はフロア内を自由に回遊し、興味あればスタッフに問えば解説してくれる。興味なければ素通りする自由がある。複数の国が雑居するコモンズ館に待ち行列が無いのと同じ理由だ。
長蛇の列の「人気館」。多様性を謳う万博で、多様性と民主主義を価値観とするはずのo欧米の国々が、観覧者の主体性を奪う、じつは管理社会なのかもしれない。
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いのち輝く?
大阪・関西万博2025 大阪ヘルスケア・パビリオンで25年後の自分の姿と対面できるというリボーン体験。若い人とには受けるのだろうか?75才以上の後期高齢者は「位牌になってるかな」と、冗談を飛ばす。肌や骨、血管など7つの要素を測定し、その結果から25年後の姿がアバターで表示されるという。みんな勘違いしてると思うが、このアバターは本人の顔写真と身長だけしか使っていない。AIで老け顔を作成しただけのもの。今回万博定番のフェイクと言うほかない。他の測定データーは要素別にA〜Eなど、総合しての体年齢が告げられ、帰りにはサプリメントなどの試供品がプレゼントされる。気になれば館内の赤壁薬局で購入もできる。、
この健康に関するビッグ・データーは参加企業に共有される。化粧品や食料品メーカーや保険会社などが名を連ねている。命や健康をビジネスというか金儲けの種にしようという方々。ちなみに小林製薬も参加予定だったが、紅麹(べにこうじ)問題で出展を辞退した。
この館のプロデューサーである森下竜一博士は今回の万博の総合プロデューサーでもある。いわゆる「大阪ワクチン」で多額の補助金をもらって、けっきょく失敗したアンジェスの人。
今回の万博の施設は閉幕後に撤去されるが、この大阪ヘルスケアパビリオンだけは残されて、医療設備になるそうだ。IPS細胞を応用した再生治療などを提供し、海外のお金持ちをターゲットにした医療ツアーなどを呼び込もうとするのだろう。隣のカジノもセットで。
「いのち輝く未来社会のデザイン」は本万博のメインテーマだが、未来の命は輝くのか、それが金儲けのネタにされる社会なのか?と、ふと思う。
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伝統工法の進化形?
大阪・関西万博2025 会場の大屋根リング。さきの記事では、伝統の貫工法で隙間を埋めるべき楔(くさび)の代わりに鋼板とボルトを用いると明らかにしたことから、「伝統工法を受け継いだ現代の進化形なのでは」と、思う方もいるかもしれないので追記する。これは「進化形」ではなく別物。専門外で聞きかじった話で繋いでいるので、見当外れならお叱りを受けたい。日本の貫工法は古くは縄文時代からという説もある。ともかく明治に西洋の建築技術が入るまで、日本の建築物は柱と梁だけで支え、斜めの補強部材は無かった。地震があれば当然揺れる。楔を打った接合部はキシむ。そのことで振動エネルギーを吸収するようになっている。
この部分を鋼板とボルトで固定することは、振動エネルギーの吸収を期待しない、ラーメン構造という別物になってしまう。典型的な木質ラーメン構造で部材は突合せだが、大屋根リングでは柱に穴を開けて梁を貫通させる。それでもどうやって建物を支えるかという点で伝統工法とは似て非なるものとなる。
大屋根リングの基礎には(一部?)杭打ちがされているそうだが、その基礎に柱は固定されているのだろうか?日本の伝統工法で柱は地面に固定されていない。このことと貫工法とが合わさって免震構造となっている。
木材の使い方についても触れたい。伝統的には自然木から丸太をそのまま、あるいは切り出すのだが、大屋根リングでは集成材を使っている(ベニヤ板と同じ手法)。そのほうが扱いやすいので「進化形」とも言える。
木材の弱点は水。雨ざらしだと朽ちてゆく。大屋根リングは早くから建築を始めているので、すでに1年〜1年半経過していて、一部に変色が見られる。藤本壮介氏は「何らかの形で残したい」と希望を述べているが、何年持たせようと考えているのだろうか。
清水の舞台も雨ざらしといえばそうかもだが、それなりに対策がされている。舞台の上には屋根がある。大屋根リングには屋根が無い。もちろん防水処理はしているだろう。
木口から、また貫の部分から水が染み込んでくる。清水の舞台ではその対策に小さな庇(ひさし)が付けられているが、大屋根リングはどうだろう?
飛鳥〜奈良時代に中国から伝わった寺院建築で柱は石の上に乗っているが、この礎石は水はけが良い形になっている。大屋根リングはそのように見えず、足元から腐食しかかっているのが認められる。
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