どれだけ武装すれば安心?

ならず者が横行する世界の現状で、理想論ばかり言っておられない。」
平和憲法に対する疑念はそんな風に出てくる。「絶対平和という非現実的な共同幻想」(日本維新の会 綱領)。「一国平和主義的観念論」(自由民主党 2010年綱領)。昨今の情勢を見ていると心配はある。では、どの程度の備えをしておけば良いのか。

次の図を見て、どういうことを感じるだろうか。少し古いが2009年の各国の軍事費。



どう見ても米国の軍事力は破格。第2位の中国でさえ、ねじ伏せようと思えばそれもできそうな圧倒的な差がある。でも米国はそうしない。米国が戦争の相手に選んだのはもっと弱小のイラクでありアフガン。あるいは中南米の小国だった。北朝鮮は統計に載っていないが、10位の韓国よりも下だろう。彼らの焦りも分からないではない。

しかし米国はベトナムを打ち負かすことはできなかった。後ろ立てだったソ連が崩壊した今も、目の前の小国キューバに手を出せない。あるいは国境紛争を抱える中国とインドの軍事費にも5倍以上の差がある。それらを見ると、「軍事バランス」だとか、世界は軍事だけでは決しないことが分かる。

日本はこの年の統計で6位。東アジアで見ると、いまや中国に次いで押しもおされぬ軍事大国となっている。この上どれだけ軍備を増強すれば満足なのだろう。

視点を変えてみよう。韓国は北朝鮮と形式上は戦争中で、いまは休戦しているにすぎない。平和憲法をいただく日本がその韓国よりも軍事費が多いという事実。ベトナムは米国との戦争が終わったあとの1979年、中国からの侵攻を受けて撃退したという経験を持つ。他国が攻めて来たことなど、史上ただ1度、13世紀の元寇にまで遡る日本の軍事費がベトナムの20倍(参考2)という事実。これらを、あなたはどう考えるだろう。

参考リンク:
1. 改憲 危険な“大合唱” (赤旗 2013年4月7日)
2. 軍事費 国別ランキング(2011年) (世界ランキング統計局 2012/10/28)


Posted on 9 Apr 2013, 21:58 - カテゴリ: 国防軍
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