消費税のウソ(4)TTPと消費税

経済も財政も壊してしまうと試され済みの消費税増税をなぜ推し進めようとするのか。誰が得をするのかを見てきた。

TTPも誰が得をするのか謎だ。もちろん輸出企業にはメリットがあるだろう。しかし、トヨタの車が米国で売れると同時に、GMの車が日本市場に入ってくることは考えないのか。トヨタは必ずGMに勝てるのか。

TPPの下では輸入関税を掛けることができない。ところが、消費税は許される。GM車が日本に入ってくるときに、これに消費税を掛ける。トヨタが国内で販売するときも同じ税率で消費税が掛かるので、フェアに見える。逆にトヨタ車が米国に入るときは(州により異なる)現地の税が掛かる。

ここで消費税の「輸出戻し税」が効いてくる。トヨタという会社は国内販売よりも輸出が多く、巨額の「輸出戻し税」を得ているから、それを国内にせよ輸出にせよ、その価格競争に充てることができる。

これがTPPと消費税増税との切っても切れない関係なのだ。もちろん米国の方でも同じ方法をとれば、このカラクリも効果が薄れる。その場合は消費税率の競争ということになるのか。

消費税のウソ(1)税収
消費税のウソ(2)戻し税
消費税のウソ(3)誰が払うのか
消費税のウソ(4)TPPと消費税]


Posted on 28 Dec 2012, 19:36 - カテゴリ: 消費税
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消費税のウソ(3) 誰が払うのか

あなたが100円の買い物をする。消費税5円を足した105円を払うので、消費税を払っているのは最終の消費者。

建前はそうかもしれない。しかしじっさいに税務署に税金を収めているのは消費者ではなくお店、事業者だ。建前でいくとあなたがお店に5円を預け、それをお店が税務署に届ける(じっさいには仕入れ分を差し引くので、税務署に収めるのは5円よりも少ない)。

この言い方をすれば、お店は税の徴収を代行しているということになる。

日本史で武士の台頭のところで、守護・地頭というものを教わる。彼らは荘園領主に代わって年貢の取り立てを請負った。

誰だって税金(年貢)は払いたくない。それを払わせるには強制力が必要となる。守護や地頭は武力を使い、荘園領主に収めるよりも多くのものを農民から取り立てて私腹を肥やすことができた。

消費税の徴収を代行すべき商店、事業者には武力が使えるわけではなく、売り手と買い手のどちらが強いかを市場原理が支配する。売り手市場ならば便乗値上げで5%以上を手にするかもしれない。買い手市場、すなわち価格競争のもとでは消費税分を価格に上乗せすることができないかもしれない。

ここに建前と実際との相違、からくりがある。利益がいくらか、あるかないかに関わらず、(売上 - 仕入れ)×消費税率 を税務署は取り立てる。払えなければ差し押さえか監獄という強制力がある。

その税金を消費者から取り戻せるかどうかは価格競争の下での市場原理。多くはお店が、トヨタではなく下請け業者がかぶることになる。トヨタは税務署からの強制力を受けることもないばかりか、戻し税というプレゼントを手にするというしだいとなる。

消費税のウソ(1)税収
消費税のウソ(2)戻し税
消費税のウソ(3)誰が払うのか
消費税のウソ(4)TPPと消費税

Posted on 28 Dec 2012, 19:35 - カテゴリ: 消費税
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消費税のウソ(2)輸出戻し税

さきの記事で、消費税を上げても税収は上がらないどころか、消費税が税の減収の原因になっていることを見た。税収の面から、日本経済の面から明らかに悪でしかない消費税増税で、いったい誰が得をするのか?

「財政再建のために」「社会保障の維持のため」「消費税増税は止むをえない」というのはまったくのウソだ。
また、「誰もが公平に負担する」というのも大嘘だ。低所得者ほど重くのし掛り、中小事業者には重く、大企業はほとんど負担していない。

何よりも輸出大企業には「輸出戻し税」というものがある。少し古い統計だが、こちらを見ていただこう。消費税収はおよそ10兆円だが、輸出戻し税は総額1兆円となる。上位に輸出大企業の名前が並ぶ。

トップのトヨタ5年推移(←宮武嶺教授のブログです。ほかにも消費税のカラクリが図解されていて分りやすい。)

トヨタの2012年3月の連結決算を使うと、純利益2,800億円。この期の輸出戻し税は輸出売上高の4%(正しくは仕入れ額×5%)と見込んでて2,000億円だから、利益の7割を占める。

さて、「輸出戻し税」とは何だろうか。消費税は国内での消費に掛かるもので、輸出に対しては掛からない。なのですでに払った(であろう)消費税を戻すとういうのは理屈だ。

しかし、じっさいに消費税を払ったのはトヨタに部品などを収めている下請け企業。収め過ぎた税金は普通、それを収めた納税者に還付される。ところが消費税の場合、それを最終製品を輸出するトヨタに支払う。ここにごまかしがある。

消費税のウソ(1)税収
消費税のウソ(2)戻し税
消費税のウソ(3)誰が払うのか
消費税のウソ(4)TPPと消費税

Posted on 28 Dec 2012, 19:35 - カテゴリ: 消費税
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消費税のウソ(1)税収

財務省が公表している主要税目の税収の推移を見てみよう。(クリックすると拡大します)

消費税は平成元年(西暦1989年)に導入された。これがキッカケとなったか、あのバブルがはじけた。
平成9年(1997年)に税率3%→5%に上げられた。その年、山一証券などの倒産が続いた。

その結果として税収総額はどうなったか。一般会計税収の推移のとおり。消費税が 0%(未実施)→3%→5% となるにしたがい、税収の総額は減少を続けている。
すなわち消費税を上げても税収は上がらないどころか、消費税が税の減収の原因になっている。

この事実を前にして、「財政再建のために」「社会保障の維持のため」「消費税増税は止むをえない」と説くのは、見解の相違などではなく、ウソをついているのだ。

「消費税増税実施の前に国民の審判を仰ぐ」そうだから、私たちはこの選挙でキッパリと、嘘つき政治家、政党に厳しい審判を下そうではないか。

消費税のウソ(1)税収
消費税のウソ(2)戻し税
消費税のウソ(3)誰が払うのか
消費税のウソ(4)TPPと消費税



Posted on 28 Dec 2012, 19:33 - カテゴリ: 消費税
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