PCを買い換えたとかで余っている古いPCに Puppy Linux をインストールしてパピー専用機としようと考える方も多いでしょう。簡単そうに思えて、ネットを調べるとその情報が古かったり、そもそも少ないことに気付きます。そこでこの記事を書くことにました。
ここでは Windows 7〜8の時代のPCをパピー専用機に生まれ変わらせることを想定します。
Ubuntuなどのインストーラーが一貫作業なのと比べると、パピーのインストールには各作業ステップに別々のアプリを動かすことになります。大きくは次の4つのステップです。
1.インストールメディアの準備 - Rufusで USBメディアを作るのが簡単でしょう。
2.ターゲットのハードディスクにパーティションを切る - Gpartedで行います。
Windowsがインストールされていた内蔵HDDの内容をばっさり消して上図のような構成とします。
先頭に 200MB程度の大きさのブート用。fat32(vfat)でフォーマット。ここには boot フラグを付けます。
残りをLinux用として ext4でフォーマットします。
手順の詳細はこちら
3. システムファイルを上記の第2パーティション(sda2)にコピー
パピーはFrugalインストールと呼んでいますが、パーティション全体を占有するのではなく、フォルダを1つ作って、その中にすべてを収めます。
この作業を Puppyインストーラが行います。
Puppyインストーラの使い方はこちら
4. ブートローダーのインストール
これには Grub2Config を使います。
ブートローダーについてはこちら。
(初稿:17 Jul 2024, 22:25)
Posted on 5 Aug 2024, 19:36 - カテゴリ: パピー専用機
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Windows上でパピーなどLinuxのUSB起動メディアを作る Rufus。Puppy や Ubuntu の.iso ファイルを指定したときに現れる「保存領域のサイズ」。これに言及しているネット情報が少ないので、ここに記す。
Rufusで「保存領域のサイズ」の項目は「ブートの種類」でUbuntu系かPuppy Linuxの.isoファイルを指定したときしか現れない。デフォルトはサイズ「0」で、それで問題なく動くので、見過ごされるのだろう。
しかも Puppy Linux の場合は SAVEMARK ファイルを作らないと機能しない。その手順は別記事に記している。
Rufusの保存領域を使わなくてもUSBメモリ上の Puppy Linux は使える。むしろRufusの「保存領域」を使うには一手間要るのだが、そのメリットを伝えるのがこの記事の目的。
Rufusで「保存領域のサイズ」のデフォルトは「0」。この場合USBメモリはすべての領域が fat32 でフォーマットされる。
たとえば16GBのUSBメモリで「保存領域のサイズ」を「13GB」に設定すると、USBメモリの先頭約1.3GBは fat32、後半13GBは ext3でフォーマットされる。(合計数字が合わないのは「GB」の数え方が違うため。)
第1パーティションにPuppy Linuxのシステムファイル、第2パーティション ext3はLinux用で、ここにPuppy Linuxの設定や追加アプリ(セッション保存)を置くことになる。pupsaveとも呼ばれるセッション保存フォルダが第2パーティションにあることをパピーに知らせるために半角英大文字で SAVEMARK(拡張子なし)という名前のテキストファイルを第1パーティションに置く必要がある。テキストの中身の半角数字で「2」は第2パーティションの意味だ。
(2024-08-16 追記)BionicPup 8.0 まではこの SAVEMARK は必要なかった。FossaPup 9.5 以降で必要になったみたいだ。(追記終わり)
Puppy Linuxは fat32 も ext3も読み書きできる。だからUSBメモリ全体を fat32 でフォーマット(Rufusの「保存領域」が 0 の場合にそうなる)しても動作する。ただし fat32はLinux用ではないので、セッション保存に裏技を使う。たとえば 512MBサイズのファイル pupsave を作って、その中に収める。このサイズが追加アプリなどの上限になる。 512MBより大きくもできるが、最大は4GB。
Linux用パーティションext3には小細工なしに追加アプリなどを納め、そのサイズの上限はパーティションのサイズ(この例では13GB)となる。
Rufusが作った「保存領域」は Linux用の ext3 フォーマット。Windowsはこれを読めないので壊れたドライブと認識し、「フォーマットしますか?」と聞いてくる。うっかりフォーマットしないように気を付けて。
パピーをUSBメモリにインストールするなら、別記事を参照し、Rufusの「保存領域」をぜひ活用して欲しい。
・別記事2(英語版を日本語化)
(初稿:15 Jul 2024, 2:29)
Posted on 4 Oct 2024, 9:38 - カテゴリ: USB
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Windowsが動くPCで Rufus を使ってパピー・LinuxをUSBにインストールします。
手順の説明を動画にしました。(2024-08-05改訂)→ YouTube
ここでは英語版から日本語化する場合を紹介する。
Puppy Linux 日本語版(公式ではないが有志が作ったもの)を使うともう少し簡単になる。→ 日本語パピーをUSBに
(その他のおすすめパピー)
ポイントは3つ。
(1)Rufus使用時に「保存領域のサイズ」を設定すること。
(2)作成されたUSBパーティション(Windowsでは「ドライブ」)に日本語化パッケージもいっしょに入れておく。
(3)同じパーティション(ドライブ)に拡張子なしで半角英大文字 SAVEMARK という名前のテキストファイルに半角数字一文字「2」を入れておく。
関連記事→ Rufusの保存領域
では、始めましょう。
1. USBメモリを準備。
USB 3.xが望ましいが、2.0でも構わない。容量は最低4GB。8GBでOK。銘柄によって起動しないもの、しにくいものがあるようだ。
USBメモリを差し込んでBIOSを開き、BIOSに認識されておればOK。
2. 次の3つを用意する。
(1)Puppy Linux のCDイメージ(.iso)
日本語フォーラム などで調べる。
今回は F96-CE_4.iso
(2)日本語化パッケージ(.pet)
日本語フォーラム などで探す。
fossa6496_lang_ja-r4.pet
(3)Rufus (ポータブル版が使い易い)
https://rufus.ie/ja/ こちらから。
今回は rufus-4.5p.exe
3.ターゲットのUSBメモリ以外は抜いておく。
4.Rufus を起動
(1)「コンピューターに変更を加えるが良いか」との問いに「はい」。
(2)Rufus画面の「デバイス」でターゲットとのUSBメモリを選択。
(3)Puppy Linux のCDイメージを Rufusの「ブートの種類」の窓にドラッグ・アンド・ドロップ。
するとRufus画面に「保存領域のサイズ」という項目が現れる。
(4)「保存領域のサイズ」のスライドバーを右端に寄せる。USBメモリの最大容量ー3GBくらいの数字が表示される。
(5)「ボリュームラベル」が「CDROM」などとなっていたら、「FossaPup」などわかりやすいものに変更する。
5.Rufusの「スタート」ボタンをクリックするとインストールが始まり、プログレスバーが進む。10分〜数十分掛かる。
完了が分かりにくいが、プログレスバーのところがふたたび「準備完了」となり、「閉じる」ボタンが現れれば終了。Rufus画面を閉じる。
6.Windowsのエクスプローラーを開き、日本語化パッケージをUSBメモリ(ラベルはさきほど「FossaPup」などとした)上にコピーする。
エクスプローラーのツールバーの「表示」→「ファイル名拡張子」にチェックを入れて、「.txt」などの拡張子を表示させる。
7. エクスプローラーでUSBメモリ上に日本語化パッケージがコピーされているか確認するとともに、空のテキストファイルを新規作成する。
名前を拡張子なしで半角英大文字8文字「SAVEMARK」とする。「拡張子を変更するとファイルが使えがなくなる可能性」と脅されるが、構わず「はい(Y)」。
SAVEMARKをメモ帳で開き、半角数字の「2」一文字を入力。改行は入れない。
上書き保存する。
Windows上での作業はこれで終わり。PCをいったんシャットダウン。
8.ふたたびPCの電源をON。BIOSを立ち上げ、USBメモリから起動できるようにする。
9. Puppy Linux が起動し、デスクトップが表示され、最初の設定画面が現れるが、何もせず閉じる。次に出るWelcome画面も閉じる。
10. デスクトップ下部に並ぶドライブアイコンのうち、USBメモリの sdb1(あるいは sdc1, sdd1など)をマウス左ボタン1クリックする。
開いた画面に日本語化パッケージを見付け、1クリックする。
「インストールするか」聞かれるので「Yes」をクリック。
パッケージのインストールが終わると初期設定画面が再び現れる。
12.次の3つの日本語設定をする。
(1) en_US → ja_JP, UTF-8 encodeのチェックはオン
(2)タイムゾーン→ Asia/Tokyo
(3)キーボード→ Japanese
ホスト名はそのままでも良いが、LAN内で決めているホスト名があればそれに変更する。
「OK」をクリック。
13.「言語パッケージが無い」と文句を言われるが、構わず「OK」。
「Xの再起動」を要求されるので「Restart X」。
次に現れたデスクトッップではアイコンやメニューの中が日本語になっている。
14.設定を保存する。
ここまでできたら設定を保存し、PCを再起動する。
(1)デスクトップ左下隅のmenu→シャットダウン→再起動(緑の電源マーク)
(2)設定を保存するか聞いてくるので、「保存する」
(3)次は保存先を聞くステップになるが、SAVEMARKで指定しているため聞かれない。
(4)暗号化するか→「暗号化なし」
(5)フォルダか単一ファイルか?→「フォルダ」
シャットダウン過程で設定保存にしばしの時間が掛かる。
設定の保存が終わり、PCが再起動したら初期設定画面は現れないはず。
15.もういちど再起動する。「これまでのセッションを保存するか?」と聞いてくる場合がある。「保存」。(注1)
以上で作業は終わり。次回以降のPC起動では立ち上がりが少し速くなるはず。
次はインストールね?
いやいや、以上の作業がインストールです。
デスクトップ上に「インストール」のアイコンがありますが、それをクリックするといくつかのアプリの選択肢が出ますが、使わないでください。必要ないし、ろくなものはありません。(そこまで言ってよいのか?)
運用上で注意することがある。Rufusが作った「保存領域」は Linux用の ext3フォーマット。Windowsはこれを読めないので壊れたドライブと認識し、「フォーマットしますか?」と聞いてくる。うっかりフォーマットしないように気を付けて。
(注1) FossapupにはバグというかPCのハードとの相性があって、その後の設定保存に失敗がある。ここで次のひと手間。
menu→ システム→ Puppy イベントマネージャー
→ 「セッションの保存」タブ
長い説明書きの次に「保存間隔」があり、「0」となっている。このままだとシャットダウン時に保存するかどうか聞かれるはずなのだが、PCのハードとの相性か、保存されない場合がある。
1以上の数字にすればよいが、その間隔でセッション保存動作が入る。
30分が推奨。シャットダウン時には自動的に保存される。
「OK」ボタンでこの画面を閉じる。
(初稿:13 Jul 2024, 2:40)
Posted on 6 Aug 2024, 15:29 - カテゴリ: USB
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Grub2config は、grub2ブートローダーをインストールし、古いGrub4DosConfigと同じように、インストールされたシステムを自動的に検出し、ブートメニューを作成するツールで、Windows、Ubuntuなどでマルチブートを可能にします。旧いMBRシステムと新しいGPT / UEFIの両方をサポートします。Grub2configは、GyrogのMOKマネージャーのおかげでUEFI Secure Bootをサポートします。(ドキュメント/English)
Grub2configは、ブートローダーのみをインストールします。Puppy Linuxは手動で、あるいは Frugalinstaller などのツールを使用してインストールできます。
Grub2config, Frugalinstaller は以下のダウンロードページから入手できます。
https://shinobar.net/puppy/opt/
リンク
日本語フォーラムの記事
本家フォーラム(英文)
(初稿:14 Aug 2021, 19:20)
Posted on 20 Aug 2021, 22:25 - カテゴリ: UEFIブート
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FossaPup 9.5 には FrugalPup が組み込まれている。
このメニューのうち「Puppy」はパピーをフルーガルインストールするもので、FrugalInstallerと同様の機能となる。ただし NTFSパーティションにインストールすることはできない。
「Boot」はGrub2ブートローダーをインストールするもので、旧来のBIOSにも最近のUEFIにも対応している。また特筆すべきは Secure Bootにも対応していることだ。
FrugalPupが作るブートメニュ0ーにはフルーガルインストールされたパピーが選べるが、NTFS上にインストールされたものは現れない。またWindowsや Ubuntuなどパピー以外のLinuxもメニューには現れないので、これらとのマルチブートのツールとしては残念ながら使えない。
代わりに Grub2Config を使うと良い。
(初稿:14 Aug 2021, 17:50)
Posted on 28 Jul 2024, 18:32 - カテゴリ: UEFIブート
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