日本語パピーをUSBに(Rufus)

日本語化済みの .iso ファイルを使って Puppy Linux をUSBメモリにインストールするのは簡単です。
手順の説明を動画にしました。→ YouTube

Puppy Linux には日本語版(公式ではないが有志が作ったもの)もあります。ここではthinkpadnerdさんによる F96-CE 日本語化版 シンプル を使います。(その他のおすすめパピー
英語版に追加パッケージで日本語化することもできます。別記事にて→ ?viewDetailed=00009

Windows上で Rufusを使います。ポイントは3つ。
(1)Rufus使用時に「保存領域のサイズ」を設定すること。
(2)パピー起動後にUSBメモリの第1パーティション(ドライブ)に拡張子なしで半角英大文字 SAVEMARK という名前のテキストファイルを作成、半角数字一文字「2」を入れておく。
(3)セッションを保存後の再起動で、セッションの自動保存を設定する。

関連記事→ Rufusの保存領域

では、始めましょう。

1. USBメモリを準備。
USB 3.xが望ましいが、2.0でも構わない。容量は最低4GB。今回は 8GBのものを使いました。銘柄によって起動しないもの、しにくいものがあるようだ。
USBメモリを差し込んでBIOSを開き、BIOSに認識されておればOK。

ここからWindows上での操作

2. 次の2つを用意する。
(1)Puppy Linux のCDイメージ(.iso)
日本語フォーラム などで調べる。今回は f96ce-simple-r4.iso
(2)Rufus (ポータブル版が使い易い)
https://rufus.ie/ja/ から。今回は rufus-4.5p.exe

3.ターゲットのUSBメモリ以外は抜いておく。

4.Rufus を起動
(1)「コンピューターに変更を加えるが良いか」との問いに「はい」。

(2)Rufus画面の「デバイス」でターゲットとのUSBメモリを選択。
(3)Puppy Linux のCDイメージを Rufusの「ブートの種類」の窓にドラッグ・アンド・ドロップ。
するとRufus画面に「保存領域のサイズ」という項目が現れる。
(4)「保存領域のサイズ」のスライドバーを右端に寄せる。USBメモリの最大容量-3GBくらいの数字が表示される。
(5)「ボリュームラベル」が「CDROM」などとなっていたら、「FossaPup」などわかりやすいものに変更する。

5.Rufusの「スタート」ボタンをクリックするとインストールが始まり、プログレスバーが進む。10分〜数十分掛かる。
完了が分かりにくいが、プログレスバーのところがふたたび「準備完了」となり、「閉じる」ボタンが現れれば終了。Rufus画面を閉じる。

Windows上での操作はこれで終わり。PCをシャットダウンする。


Puppy Linux上での操作

6.PCの電源をON。BIOSを立ち上げ、USBメモリから起動できるようにする。

7. Puppy Linux が起動し、デスクトップが表示され、最初の設定画面が現れる。
言語やタイムゾーン、キーボードは日本のものになっているはず。
Caps Lock や Num Lock あるいはホスト名など、必要であれば設定する。次に出るWelcome画面も必要なければ閉じる。

8. デスクトップ下部に並ぶドライブアイコンのうち、USBメモリの sdb1(あるいは sdc1, sdd1など)をマウス左ボタン1クリックする。

7. 開いたウィンドウ上で右クリック。空のファイルを新規作成する。
名前を拡張子なしで半角英大文字8文字「SAVEMARK」とする。
「SAVEMARK」を右クリック、テキストとして開き、半角数字の「2」一文字を入力。改行は入れない。
上書き保存する。


8.設定を保存する。
ここまでできたら設定を保存し、PCを再起動する。
(1)デスクトップ左下隅のmenu→シャットダウン→再起動(緑の電源マーク)

(2)設定を保存するか聞いてくるので、「保存する」
(3)次は保存先を聞くステップになるが、SAVEMARKで指定しているため聞かれない。
(4)暗号化するか→「暗号化なし」
(5)フォルダか単一ファイルか?→「フォルダ」
シャットダウン過程で設定保存にしばしの時間が掛かる。
設定の保存が終わり、PCが再起動したら初期設定画面は現れないはず。

9. セッション自動保存の設定
menu→ システム→ Puppy イベントマネージャー
→ 「セッションの保存」タブ

長い説明書きの次に「保存間隔」があり、「0」となっている。このままだとシャットダウン時に保存するかどうか聞かれるはずなのだが、PCのハードとの相性か、保存されない場合がある。
保存間隔を30分に設定。シャットダウン時には自動的に保存される。
「OK」ボタンでこの画面を閉じる。

以上で作業は終わり。次回以降のPC起動では立ち上がりが少し速くなるはず。


次はインストールね?
いやいや、以上の作業がインストールです。
デスクトップ上に「インストール」のアイコンがありますが、それをクリックするといくつかのアプリの選択肢が出ますが、使わないでください。必要ないし、ろくなものはありません。(そこまで言ってよいのか?)

運用上で注意することがある。Rufusが作った「保存領域」は Linux用の ext3フォーマット。Windowsはこれを読めないので壊れたドライブと認識し、「フォーマットしますか?」と聞いてくる。うっかりフォーマットしないように気を付けて。


(初稿:30 Sep 2024, 23:21)

Posted on 1 Oct 2024, 21:50 - カテゴリ: USB
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パピー用のフォーマット

HDDやSSD、USBメモリなどのストレージのパーティション(Windowsで言うところの「ドライブ」)のフォーマット・タイプに大きく分けて Windows用とLinux用がある。
Puppy Linux はいずれのタイプでも使える、しかし優先順位があって、Linux用の ext4やext3などがベスト。 Windows用ならFATがベターで、NTFSはあまりよろしくない。

パピー専用機ならばLinux用にするべきだが、先頭の 300MB程度はブート用として fat32で、後半を ext4 あるいは ext3 でフォーマットする。
WindowsシステムはNTFSでフォーマットされている。それを縮小し新たにLinux用パーティションを作る方法もあるが、危険なのでお奨めしない。Windowsとの共存ならば LICKでインストールする方法がある。

安全なのはディスクを増設するか、USBメモリにパピーをインストールすることだろう。この場合は先頭に fat32フォーマットの小さなブートパーティションと残りをLinux用パーティションにするとよい。

しかしUSBメモリについては少しの迷いがある。このUSBメモリを Windows機に差したとき、Windowsは「このドライブを使うにはフォーマットする必要があります。」とのメッセージを出し、Windows用に初期化しようとする。誤って初期化しかねない。これを避けるために USBメモリ全体を FAT(fat32)にするのも選択肢かもしれない。ただしこの場合、セッション保存ファイル(pupsave)のサイズ上限は 4GB となる。

(初稿:21 Sep 2024, 1:55)

Posted on 30 Sep 2024, 10:59 - カテゴリ: USB
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Rufusの保存領域

Windows上でパピーなどLinuxのUSB起動メディアを作る Rufus。Puppy や Ubuntu の.iso ファイルを指定したときに現れる「保存領域のサイズ」。これに言及しているネット情報が少ないので、ここに記す。

Rufusで「保存領域のサイズ」の項目は「ブートの種類」でUbuntu系かPuppy Linuxの.isoファイルを指定したときしか現れない。デフォルトはサイズ「0」で、それで問題なく動くので、見過ごされるのだろう。


しかも Puppy Linux の場合は SAVEMARK ファイルを作らないと機能しない。その手順は別記事に記している。

Rufusの保存領域を使わなくてもUSBメモリ上の Puppy Linux は使える。むしろRufusの「保存領域」を使うには一手間要るのだが、そのメリットを伝えるのがこの記事の目的。

Rufusで「保存領域のサイズ」のデフォルトは「0」。この場合USBメモリはすべての領域が fat32 でフォーマットされる。

たとえば16GBのUSBメモリで「保存領域のサイズ」を「13GB」に設定すると、USBメモリの先頭約1.3GBは fat32、後半13GBは ext3でフォーマットされる。(合計数字が合わないのは「GB」の数え方が違うため。)

第1パーティションにPuppy Linuxのシステムファイル、第2パーティション ext3はLinux用で、ここにPuppy Linuxの設定や追加アプリ(セッション保存)を置くことになる。pupsaveとも呼ばれるセッション保存フォルダが第2パーティションにあることをパピーに知らせるために半角英大文字で SAVEMARK(拡張子なし)という名前のテキストファイルを第1パーティションに置く必要がある。テキストの中身の半角数字で「2」は第2パーティションの意味だ。
(2024-08-16 追記)BionicPup 8.0 まではこの SAVEMARK は必要なかった。FossaPup 9.5 以降で必要になったみたいだ。(追記終わり)

Puppy Linuxは fat32 も ext3も読み書きできる。だからUSBメモリ全体を fat32 でフォーマット(Rufusの「保存領域」が 0 の場合にそうなる)しても動作する。ただし fat32はLinux用ではないので、セッション保存に裏技を使う。たとえば 512MBサイズのファイル pupsave を作って、その中に収める。このサイズが追加アプリなどの上限になる。 512MBより大きくもできるが、最大は4GB。

Linux用パーティションext3には小細工なしに追加アプリなどを納め、そのサイズの上限はパーティションのサイズ(この例では13GB)となる。

Rufusが作った「保存領域」は Linux用の ext3 フォーマット。Windowsはこれを読めないので壊れたドライブと認識し、「フォーマットしますか?」と聞いてくる。うっかりフォーマットしないように気を付けて。

パピーをUSBメモリにインストールするなら、別記事を参照し、Rufusの「保存領域」をぜひ活用して欲しい。
別記事2(英語版を日本語化)

(初稿:15 Jul 2024, 2:29)

Posted on 4 Oct 2024, 9:38 - カテゴリ: USB
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RufusでパピーをUSBインストール

Windowsが動くPCで Rufus を使ってパピー・LinuxをUSBにインストールします。
手順の説明を動画にしました。(2024-08-05改訂)→ YouTube

ここでは英語版から日本語化する場合を紹介する。
Puppy Linux 日本語版(公式ではないが有志が作ったもの)を使うともう少し簡単になる。→ 日本語パピーをUSBに
(その他のおすすめパピー

ポイントは3つ。
(1)Rufus使用時に「保存領域のサイズ」を設定すること。
(2)作成されたUSBパーティション(Windowsでは「ドライブ」)に日本語化パッケージもいっしょに入れておく。
(3)同じパーティション(ドライブ)に拡張子なしで半角英大文字 SAVEMARK という名前のテキストファイルに半角数字一文字「2」を入れておく。

関連記事→ Rufusの保存領域

では、始めましょう。

1. USBメモリを準備。
USB 3.xが望ましいが、2.0でも構わない。容量は最低4GB。8GBでOK。銘柄によって起動しないもの、しにくいものがあるようだ。
USBメモリを差し込んでBIOSを開き、BIOSに認識されておればOK。

2. 次の3つを用意する。
(1)Puppy Linux のCDイメージ(.iso)
日本語フォーラム などで調べる。
今回は F96-CE_4.iso
(2)日本語化パッケージ(.pet)
日本語フォーラム などで探す。
fossa6496_lang_ja-r4.pet
(3)Rufus (ポータブル版が使い易い)
https://rufus.ie/ja/ こちらから。
今回は rufus-4.5p.exe

3.ターゲットのUSBメモリ以外は抜いておく。

4.Rufus を起動
(1)「コンピューターに変更を加えるが良いか」との問いに「はい」。

(2)Rufus画面の「デバイス」でターゲットとのUSBメモリを選択。
(3)Puppy Linux のCDイメージを Rufusの「ブートの種類」の窓にドラッグ・アンド・ドロップ。
するとRufus画面に「保存領域のサイズ」という項目が現れる。
(4)「保存領域のサイズ」のスライドバーを右端に寄せる。USBメモリの最大容量ー3GBくらいの数字が表示される。
(5)「ボリュームラベル」が「CDROM」などとなっていたら、「FossaPup」などわかりやすいものに変更する。

5.Rufusの「スタート」ボタンをクリックするとインストールが始まり、プログレスバーが進む。10分〜数十分掛かる。
完了が分かりにくいが、プログレスバーのところがふたたび「準備完了」となり、「閉じる」ボタンが現れれば終了。Rufus画面を閉じる。

6.Windowsのエクスプローラーを開き、日本語化パッケージをUSBメモリ(ラベルはさきほど「FossaPup」などとした)上にコピーする。
エクスプローラーのツールバーの「表示」→「ファイル名拡張子」にチェックを入れて、「.txt」などの拡張子を表示させる。

7. エクスプローラーでUSBメモリ上に日本語化パッケージがコピーされているか確認するとともに、空のテキストファイルを新規作成する。
名前を拡張子なしで半角英大文字8文字「SAVEMARK」とする。「拡張子を変更するとファイルが使えがなくなる可能性」と脅されるが、構わず「はい(Y)」。
SAVEMARKをメモ帳で開き、半角数字の「2」一文字を入力。改行は入れない。
上書き保存する。

Windows上での作業はこれで終わり。PCをいったんシャットダウン。

8.ふたたびPCの電源をON。BIOSを立ち上げ、USBメモリから起動できるようにする。

9. Puppy Linux が起動し、デスクトップが表示され、最初の設定画面が現れるが、何もせず閉じる。次に出るWelcome画面も閉じる。

10. デスクトップ下部に並ぶドライブアイコンのうち、USBメモリの sdb1(あるいは sdc1, sdd1など)をマウス左ボタン1クリックする。
開いた画面に日本語化パッケージを見付け、1クリックする。
「インストールするか」聞かれるので「Yes」をクリック。
パッケージのインストールが終わると初期設定画面が再び現れる。

12.次の3つの日本語設定をする。
(1) en_US → ja_JP, UTF-8 encodeのチェックはオン
(2)タイムゾーン→ Asia/Tokyo
(3)キーボード→ Japanese
ホスト名はそのままでも良いが、LAN内で決めているホスト名があればそれに変更する。
「OK」をクリック。

13.「言語パッケージが無い」と文句を言われるが、構わず「OK」。
「Xの再起動」を要求されるので「Restart X」。
次に現れたデスクトッップではアイコンやメニューの中が日本語になっている。

14.設定を保存する。
ここまでできたら設定を保存し、PCを再起動する。
(1)デスクトップ左下隅のmenu→シャットダウン→再起動(緑の電源マーク)

(2)設定を保存するか聞いてくるので、「保存する」
(3)次は保存先を聞くステップになるが、SAVEMARKで指定しているため聞かれない。
(4)暗号化するか→「暗号化なし」
(5)フォルダか単一ファイルか?→「フォルダ」
シャットダウン過程で設定保存にしばしの時間が掛かる。
設定の保存が終わり、PCが再起動したら初期設定画面は現れないはず。

15.もういちど再起動する。「これまでのセッションを保存するか?」と聞いてくる場合がある。「保存」。(注1)

以上で作業は終わり。次回以降のPC起動では立ち上がりが少し速くなるはず。


次はインストールね?
いやいや、以上の作業がインストールです。
デスクトップ上に「インストール」のアイコンがありますが、それをクリックするといくつかのアプリの選択肢が出ますが、使わないでください。必要ないし、ろくなものはありません。(そこまで言ってよいのか?)

運用上で注意することがある。Rufusが作った「保存領域」は Linux用の ext3フォーマット。Windowsはこれを読めないので壊れたドライブと認識し、「フォーマットしますか?」と聞いてくる。うっかりフォーマットしないように気を付けて。

(注1) FossapupにはバグというかPCのハードとの相性があって、その後の設定保存に失敗がある。ここで次のひと手間。
menu→ システム→ Puppy イベントマネージャー
→ 「セッションの保存」タブ

長い説明書きの次に「保存間隔」があり、「0」となっている。このままだとシャットダウン時に保存するかどうか聞かれるはずなのだが、PCのハードとの相性か、保存されない場合がある。
1以上の数字にすればよいが、その間隔でセッション保存動作が入る。
30分が推奨。シャットダウン時には自動的に保存される。
「OK」ボタンでこの画面を閉じる。


(初稿:13 Jul 2024, 2:40)

Posted on 6 Aug 2024, 15:29 - カテゴリ: USB
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USBから起動しない

USBからの起動ができるときとできないときがあります。

Dynabookの場合電源ON時に F12キー連打で起動デバイスを選択できるのですが、そこにUSBの型番が表示されない、すなわちBIOSがUSB機器を検出できていないので、これを選んでも失敗し、内蔵HDDから起動します。ネット情報でも、USBの銘柄に依存するという情報も散見されます。

どうやらその理由と対策が分かった気がします。

以下の記述でBIOSに入るためのキー[F2]はPCによって異なります。多くは[F2]キーが[DEL]キーですが、異なるものも。VirtualBoxでは[ESC}キーです。PCの説明書またはネットで検索してください。 たとえばこちらのページ

Dynabookの場合電源ON時に F2キー連打でBIOSの設定に入ります。そこで何も変更せずにBIOS設定を抜け出し、再起動します。今度はUSB機器を認識し、そこから起動できます。

すなわち、電源を入れてからBIOSがUSB機器を認識するのに時間が掛かるようで、その時間稼ぎをしてやればよいようことです。USBの銘柄に依存もうなづけます。USB3.1だから、新しいからとかは関係ないようです。

追記:UEFI環境で内部ディスクから起動した場合、UbuntuなどのGrubメニューでは UEFI Firmware Setting という項目かあり、これを選択するとBIOSの設定に入ります。

あともうひとつ、電源を入れた状態で再起動した場合は失敗が多く、いちど電源を切ってからの電源投入だと成功する確率が高いようでした。

(初稿:16 Jul 2021, 20:47)

Posted on 14 Aug 2021, 14:24 - カテゴリ: USB
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