刃傷松の廊下

『忠臣蔵』を知らない日本人が居た。ある若者の、あらすじを聞いての反応。「討ち入りって、テロやん。そもそも松の廊下でなくとも、相手が刀を抜いてないのに一方的に切り付けるって、イカンやろ。」

言われてみればごもっとも。説得力がある。発端は若殿の軽率な行動。おかげで失職し逆ギレの家臣。「主君の恨みを晴らす」に大義はあるのか。思ってみれば、この演目が当時から大受けし、いまも日本人に支持されるのはいったいなぜだろうと、改めて考えてしまう。



幸いか吉良上野介は軽傷だった。この喧嘩に対するお上の沙汰は、切りつけた浅野内匠頭は切腹、浅野のお家は断絶。仕えていた家臣は赤穂浪士となった。

このころ江戸幕府は何かと口実を見付けては、大名の領地を取り上げていた。それを他の幕臣に与えることで支配を強化するためだ。それがこの刃傷事件に過酷な沙汰を下した理由だった。

赤穂浪士はもちろん、当時の民衆も、この幕府のやり口が横暴と感じただろう。お上の横暴に対する反発が、いまもなお『忠臣蔵』が支持されている理由かもしれない。

桜宮高校のバスケット部員自殺の後の橋下市長の対応はどうだったか。スポーツ科の入試中止と教員の全員入れ替えを主張。その権限は自分にはなく教育委員会にあると知ると、予算を楯にして圧力を掛けた。

この橋下市長の対応に、大阪の民衆は反発を感じて当然。世論調査によると、橋下市長の対応に半数は反対という。でもなお40%が賛成というのは、私にとって不思議。

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Posted on 5 Aug 2013, 9:00 - カテゴリ: 右傾化とハシズム
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