生かさず殺さず

麻生財務大臣は「社会保障費の増大は子供を産まないのが問題」と発言したそうだ(2014年12月7日・札幌市内で)。

失言のデパート麻生さんだが、まったく見当外れの論とはいえない。日本語を少し間違えているだけで、「子供を産ないのが問題」とすれば当たっている。人口の減少はそのままGDPの減少に繋がるから、財務大臣として、これは問題だ。

「アベノミクス」とやらで一部大企業は空前の利益を上げているが、労働者の実質賃金は減りつづけており、正規雇用が減って、明日の身分の保証がない非正規雇用に置き換えられている。

これでは結婚もできないし、結婚しても少ない収入を補うために共稼ぎしなければならない。ところが子供を預けるところがない。これでは人口が減るのは当然だ。



およそ利益の源泉は勤労者の働きだから、その数が減ることで日本経済が先細りすることは目に見えている。

「女性が輝く社会」とかで女性を働かせることで当面を凌ぐことはできても、保育の環境を十分にしなければ子供を産めないだろう。日本の教育費が世界1嵩むことも要因になっている。

徳川家康は百姓を「生かさぬよう殺さぬよう」と言ったとか。年貢を取りすぎて農民が飢えて死んでは元も子もないし、来年の種もみも残さねばならない。そのことを戒めた言葉とも思われる。江戸時代の為政者のほうが、現在の日本の支配者層よりも賢かったのではないだろうか。

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Posted on 25 Dec 2014, 14:04 - カテゴリ: 経済
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