身代わり地蔵

4月3日、もず後援会の主催で「さくらウォーク」を開催しました。この日のテーマは桜を愛でながら、上神谷(にわだに)街道を歩くことでした。
上神谷街道は堺旧市内から南区の桜井神社を経て河内長野に至る街道です。大仙公園を造成するにあたり、この街道の存在が指摘され保存されることになりました。
この街道は百舌鳥村の西の境界となっており、百舌鳥の人々は西大道と呼んでいました。街道沿いに身代わり地蔵があります。災いを代わりに背負ってくれるそうです。

ここから百舌鳥村の中心部に向かう街道がありました。大仙公園内のその道は消えていますが、地蔵の近くにその痕跡を確認できます。
昔から最も恐れられていたのは疫病であり、それは外からやってくるものでした。村への入り口で疫病や災いを 防ぐ存在として、この地蔵が作られたのでしょう。


Posted on 3 Apr 2021, 20:25 - カテゴリ: 郷土史
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熊野(ゆや)小学校

堺市堺区に熊野(くまの)町という所がある。地域の小学校は熊野(ゆや)小学校と、漢字は同じだが「ゆや」と読ませている。熊野という漢字には「くまの」と「ゆや」という2とおりの読み方があるらしい。

江戸時代の地図によるとこの町は「湯屋町」と表記されている。明治になって同じ「ゆや」と読める「熊野」という漢字に変ええられたのだという。湯屋町という名は、この辺りに風呂屋が集中していたからだと、堺市のHPで紹介されている。



しかしこの話、おかしくないか? 風呂からの帰りに湯冷めしてはたまらないので、風呂屋は各町内に分散してあったはず。それが宿屋町や旅籠町に隣接していたのなら分かるが、そうでもない。

私は「湯屋」というのは、鋳物工場だったのではと思っている。溶かした金属のことを「湯」と呼んだのではないか。

熊野(ゆや)小学校の運動場が発掘調査され、中世の壕の跡が確認されている。そこから鋳型が見つかっている(毎日新聞)。私の仮説もあながち妄想とは言えないだろう。


Posted on 23 Jan 2021, 22:52 - カテゴリ: 郷土史
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牛乳粥の旅

ある欧州料理の店でデザートに牛乳粥が出てきた。米を牛乳と砂糖で煮たもの。店のマスターによれば、オランダ人の主婦から教わったという。次に同じ料理に出会ったのは、スペイン料理店だった。スペイン語でアロス・コン・レチェ(牛乳飯)と言う。そして3度目はトルコ料理店。



『アラビアンナイト(千夜一夜物語)』にこの料理が出てくる。
ある夫婦が盗賊に襲われ、離ればなれになる。妻は道中の安全のため男装して放浪するが、ある町でひょんなことから、その国の王に祭り上げられる。
王となった妻は夫を探すために、町中の人々を集める大宴会を催すことを思いつく。その場で、仇である盗賊の一味を発見し、その場でひっ捕らえる。ちょうどその料理を食べているところだった。町の人々は事情を知らないから、「あの料理を食べるとまずいことになるらしい」と噂する。
次にこの町にやって来たのが盗賊の棟梁。席はいっぱいだが、件の料理の前だけは空いていた。以前のことがあるので町の人は座らない。そこに座った盗賊はたちまちひっ捕らえられた。
そしてとうとう、別れた夫がこの町にやってくる。例によって件の料理の前だけが空いている。そこに座った夫を妻が発見し、無事の再会となる。(美しきズームルッドと「栄光」の息子アリシャールとの物語)

この料理を井上瑞子 は『アラビアンナイト博物館』でサフラン・ライスとしている。しかし私が読んだ『完訳 千一夜物語』(岩波文庫)では「クリーム飯」と書いてあるから、牛乳粥であっただろうと思う。

アラビアンナイトは10世紀ごろのバグダッド中心の物語だが、現在のトルコも同じ文化圏だろう。スペインも8-15世紀はイスラム国(ウマイヤ朝)だった。またオランダも15〜17世紀はスペイン占領下だった。

そう思っていたところ、3世紀ごろの古代インドを舞台とした『ラーマーヤナ』を読むと、古代インドで牛乳粥が祭礼で供えられていたことを知った。釈迦が森林での苦行から出てきて、村娘から饗応されたのも牛乳粥だった。

中世イスラム帝国はインド西部、現在のパキスタン付近まで進出した、それらを考えるとこの牛乳粥は、インド→イスラム帝国→トルコ→スペイン→オランダ→日本に住む私のもとへと旅してきたのだろう。



Posted on 16 Dec 2022, 14:19 - カテゴリ: 料理
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Posted on 18 Oct 2020, 1:28 - カテゴリ: ブログ
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マンディのレシピ

アラビアンナイトに登場する料理ではないかと想像されるアラブ料理、マンディを作ってみた。そのレシピをここに記しておく。

材料(4人分)
米(バスマティ・ライス) 2カップ
鶏肉(もも肉など)2枚(500g程度)
玉ネギ 1/2個、ニンニク 1片、ショウガ 親指大
アーモンド・スライス、コリアンダーまたはバジル(トッピング用) 少々
バラ水 50cc、レモン汁 50cc、野菜ジュース 50cc
チキン・コンソメ 小さじ2
ヨーグルト 大さじ1
A.ホール・スパイス
粗挽きコショウ 小さじ1/2、クミン・シード 小さじ1、クローブ 10粒程度、カルダモン 5粒程度
B.パウダー・スパイス
ターメリック 小さじ2、シナモン 小さじ1、ナツメグ 小さじ1/2、コリアンダー 小さじ1/2
その他のスパイス・調味料
ロリエ 一枚、塩、コショウ、オリーブ・オイル

作り方
1 米は何度も洗ったあと、水に浸けておく。約2時間。
2 玉ネギ、ショウガ、ニンニクはみじん切り。
3 ホール・スパイスはすり鉢で荒く潰すか、包丁の腹か背で潰す。
4 鶏肉をポリ袋に入れ、塩、コショウ、香料、みじん切りの玉ネギなど、ヨーグルトと油を入れ、よく揉んだ後に冷蔵庫に入れておく。
5 浸しておいた米は2時間経ったらザルに挙げておく。
6 レモンを絞る、黄色い部分の皮を剥いで取っておく。白い部分が混じらないようにする。
7 鍋にお湯を沸かしたら、塩ひとつまみと油少々、ロリエを入れ、米を入れて中火で下ゆでする。約5分。
8 米が茹で上がったら、ザルに取る。
9 オーブンを230度に余熱しておく。
10 ポリ袋の鶏肉をフライパンに出し、玉ネギが半透明になるまで炒める。炒めた鶏肉はいったん取り上げる。
11 チキンコンソメ、野菜ジュースを加える。
12 下ゆでした米を入れ、レモン汁、レモンの皮、バラ水を加える。水を1カップ足す。
13 オーブン皿に移し、取り分けていた鶏肉を載せ、温まったオーブンに入れて焼く。30分。
14 フライパンにアーモンドスライスを入れ、少量の油で軽く炒め、焦げないうちに取り出してキッチンペーパーに。

盛り付け
鶏肉は適宜切り分ける。アーモンド、コリアンダーあるいはバジルなどを飾る。
ヨーグルトを添えるとよい。



Posted on 11 Jul 2020, 0:11 - カテゴリ: 料理
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