エネルギを産むには熱源だけではダメで、冷やす手段が必要。 原発や火力発電所が海岸沿いに作られるのはこの理由から。
C + O2 = CO2 + 349kJ
炭を燃やすと二酸化炭素とともにエネルギーが発生する。
この式は可逆で、二酸化炭素と(水と)太陽光のエネルギーがあると葉緑素の介在で炭水化物(糖質)と酸素ができる。
nCO2 + mH2O + 光 →(葉緑素) Cn(H2O)m + nO2
235U + n → 95Y + 139I + 2n + 数千GJ
ウラン235 に中性子が反応し、イットリウムとヨウ素、中性子2個とエネルギーを放出する。
さきの化学反応と一見似ているが……
天然のウランの成分のうちほとんどは燃えにくいウラン238で、燃えやすいウラン235は 0.7%程度。 燃料として使うには燃えやすいウラン235の割合を高める濃縮が必要。
ウラン235とウラン238の割合 | 制御方法 | |
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原子力発電 | ウラン235の割合が低い | 制御棒が多数設置されており、また自己制御性があるため急激に核分裂数が増加することはない。 |
原子爆弾 | ウラン235の割合がほぼ100% | 制御棒が設置されておらず、自己制御性がないため、急激に増加する核分裂を止めることはできない 。 |
炉心を冷やすのに水が必要。その水を循環させるためのポンプを動かすのに電気が必要。
残り火(崩壊熱)はこれを消す手段はない。 ただ冷やし続けて収まるのを待つだけ。 数%といっても、もとが100万kWとかなので、残り火とはいっても……
3月下旬には外部電源が復帰したが……。
モーター、ポンプ、配管、熱交換器、そのすべてが健全でなければ冷却機能は得られない。
全部壊れてた。いつ壊れたのか?
浄化装置のおかげで冷却水の循環は間接的ながらできている。 爆発による放射能の大量飛散の可能性は低くなった。 しかし放射能を閉じ込めるはずの障壁はすべて崩壊したまま。 強い放射線のため、修復作業は困難。現場現物での事故調査もできる状況ではない。