支配層
2011年3月11日の福島第1原発の直後、国民の多くの気持ちは「できれば原発はなくしたい。」でも「それに代わる電源はあるのか。」という不安はあった。それでも、これまでの安全神話は崩れ「安全点検が済んだ」とする原発の再稼働は許されなかった。2012年5月5日、ついにその日が来た。日本国中すべての原発が停止した。
でも原発を動かさずに夏を越せるのか?時の総理大臣は「停電が起これば命の危険」と脅し、それまで反原発と目されていた大阪市長も同じことを言った。滋賀県知事も同調、関西広域連合は大飯原発の再稼働を容認した。
この夏は記録的猛暑で、関西の電力消費は8月3日にそのピークを迎えた。この日でさえ、もし大飯原発が稼働しなくても電力消費は足りていたと関西電力は分析した。多くの国民は、原発がなくてもやっていけるのだと確信した。「いますぐ原発をゼロに」の声は大きく広まった。
しかし政権党は「2030年代に原発ゼロ社会を」と、国民世論からは大きく後退した提言をまとめる。しかしそれすら閣議決定とすることはできなかった。横槍が入ったからだ。その経緯を振り返ってみよう。
9月8日 政権党が提言「『原発ゼロ社会』を目ざして」をまとめる。
9月11日 政権党政調会長が渡米して米エネルギー省のポネマン副長官と会談。副長官は日本の原子力政策に懸念を示した。
9月13日 米戦略国際問題研究所(CSIS)のジョン・ハムレ所長は12日、日本政府が「2030年代に原発稼働ゼロを可能とする」ことを目指すエネルギー戦略策定に動いていることを受けて日本経済新聞に寄稿し、戦略の再考を促した。
9月18日 経済三団体が異例の共同記者会見を行い、エネルギー戦略めぐり考え示す。
9月19日 エネ政策、振り出しに「原発ゼロ」閣議決定せず
日本の政治、マスコミを誰か、どのように支配し歪めているか、その構図があからさまに見えるではないか。
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