三種の神器と皇位継承

宮内庁のページで剣璽等承継の儀について、次のように解説している。
天皇が皇位を継承された証として剣璽・御璽・国璽を承継される儀式。剣璽とは宝剣と神璽のこと
また「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」として「三種の神器(鏡・剣・璽)」などを挙げている。

「剣璽等」とは、剣が1つとハンコが3つ。三種の神器のひとつとして鏡は追記されているが、ここに勾玉は出て来ない。

いっぽう、神社本庁の皇位継承の儀式を扱った特設ページでは、剣璽等承継の儀を次のように解説している。
皇位につかれた陛下は、「三種の神器」をはじめとした皇室に由緒ある品々や天皇陛下の印である「御璽」、日本国の印である「国璽」を継承されます。三種の神器とは、歴代天皇に皇位のしるしとして継承されてきた八咫鏡・天叢雲剣(草薙剣)・八坂瓊曲玉のことです。
神社本庁の見解は「神璽」を(かみのしるし)と読み、それを鏡・剣・勾玉のいわゆる三種の神器に当てはめているのだが、それは無理があろう。

南北朝時代に南朝方の北畠親房が『神皇正統記』を記し、「神璽」を勾玉と考えた。古事記の「三種の神宝」に当てはめて解釈したのだろう。これがその後に神社本庁の見解となり、いまも俗説としてまかり通っている。

しかし、「璽」はハンコである。御璽、国璽は明らかにハンコ。なぜ神璽のみハンコでないと言えるのだろう。神聖なものとして普段使われることはないが、やはりハンコであろう。

(図は志賀島で発見された金印

皇位継承のアイテム(レガリア)について正史日本書紀がどう述べているかについては 三種の神器と日本書紀 をお読みいただきたい。



Posted on 21 Feb 2019, 18:07 - カテゴリ: 古代史
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