物が売れなきゃ始まらない
さきに私はこのブログで、日本国民の生活水準を全般的に引き下げることで「日本での人件費も安上がりになって、国内での企業活動も楽になる。」が、財界や官僚の描くシナリオと書いた。しかしこれは成功しない。賃金が下がり人件費の負担が小さくなったとしても、それで物やサービスを作っても売れない。国民の財布が乏しいからだ。物が売れなきゃ儲ける術がない。「賃金を下げれば企業活動が活発になり雇用が増える」というのは幻想に終わる。
隘路があるとすれば、国内需要に期待せず、輸出にそれを求めるというもの。しかし、どこに売るのか。中国?米国?欧州?いずれも拡大は期待できない。ならば新興国?
日本人は貧しくとも勤勉で、製品を輸出することで大きく成長してきた。しかしそれは昔の話。いまや日本のGDPは世界第3位の経済大国。その国が内需を縮小し他国に需要を求めるなど、マクロに見て成立するわけがない。想像してみよう。米国をはじめすべての国がそういう政策を採ったらどうなる?
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