消費税のウソ(3) 誰が払うのか
あなたが100円の買い物をする。消費税5円を足した105円を払うので、消費税を払っているのは最終の消費者。建前はそうかもしれない。しかしじっさいに税務署に税金を収めているのは消費者ではなくお店、事業者だ。建前でいくとあなたがお店に5円を預け、それをお店が税務署に届ける(じっさいには仕入れ分を差し引くので、税務署に収めるのは5円よりも少ない)。
この言い方をすれば、お店は税の徴収を代行しているということになる。
日本史で武士の台頭のところで、守護・地頭というものを教わる。彼らは荘園領主に代わって年貢の取り立てを請負った。
誰だって税金(年貢)は払いたくない。それを払わせるには強制力が必要となる。守護や地頭は武力を使い、荘園領主に収めるよりも多くのものを農民から取り立てて私腹を肥やすことができた。
消費税の徴収を代行すべき商店、事業者には武力が使えるわけではなく、売り手と買い手のどちらが強いかを市場原理が支配する。売り手市場ならば便乗値上げで5%以上を手にするかもしれない。買い手市場、すなわち価格競争のもとでは消費税分を価格に上乗せすることができないかもしれない。
ここに建前と実際との相違、からくりがある。利益がいくらか、あるかないかに関わらず、(売上 - 仕入れ)×消費税率 を税務署は取り立てる。払えなければ差し押さえか監獄という強制力がある。
その税金を消費者から取り戻せるかどうかは価格競争の下での市場原理。多くはお店が、トヨタではなく下請け業者がかぶることになる。トヨタは税務署からの強制力を受けることもないばかりか、戻し税というプレゼントを手にするというしだいとなる。
消費税のウソ(1)税収
消費税のウソ(2)戻し税
消費税のウソ(3)誰が払うのか
消費税のウソ(4)TPPと消費税
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