内蔵ハードディスクにパピー・リナックスをインストールする方法はいくつか紹介しました(syslinux編、Grub4Dos編)。 しかし、Windowsが壊れてしまわないか心配、修復に自信がないなどの理由で躊躇される方も多いでしょう。 ライブCDでパピー・リナックスを使い続ければ良いのですが、起動が遅いのが難点です。 そういう場合にお薦めなのは、USBメモリへのインストールです。
USBメモリにパピー・リナックスをインストールする方法はパピーリナックス日本語フォーラムなどに紹介されています。 それらの方法によれば、CDドライブの無いパソコンでもUSBメモリからの起動さえできれば適用できます。
ライブCDからの起動ができているならば、もっと簡単になります。ターゲットのパソコンにCDドライブが無くても、 別のパソコンでCD起動できるならば、そこで作ったインストール済USBメモリをターゲットに運べばOKです。
作業するパソコンの条件は、CDドライブからの起動ができ、USBメモリに書き込みのできるもの。 ターゲットのパソコンはUSBメモリからの起動ができることが条件になります。 メインメモリはいずれも256MB以上(128MBでは苦しいかも)。 用意するUSBメモリは512MB以上、できれば1GB以上あると良いでしょう。
USBメモリをFAT32でフォーマットします。 すでにフォーマットされているなら省略しても構いません。 フォーマットでUSBメモリの内容はすべて消去されるので、 残しておきたいデータがあればどこかに退避させておきます。
Puppy Linux上でフォーマットできなくもありませんが、Windows上でフォーマットしておきます。
bootフラグは付いてなくても、起動には問題ないようです。
パピーライブCDの作成などを参考に ライブCDを用意します。
さきにフォーマットしておいたUSBメモリと、作成したライブCDとを挿入し、 パソコンを再起動してCDからの起動を選択、 Puppy Linuxを起動して次の作業を続けます。
CD上のすべてのファイルをすべてUSBメモリにコピーします。
デスクトップ上のUSBメモリのアイコン、CDのアイコンを1クリックするとそれぞれマウントされて フォルダが開きます。 CDのホルダ上のツールバーの右から2つ目に「全てを選択」のアイコンがあります。あるいはマウスをドラッグしてすべてのファイルを選択することもできます。 これをUSBメモリのフォルダ上にドラッグ・アンド・ドロップ、「コピー」を選択します。
「preserving permissions ...: 許可されていない操作です」 のようなエラーが表示される場合がありますが、 コピーされたファイルのサイズが同じようであれば心配いりません。
Windowsでこの作業を行うと、ファイル名がすべて大文字になってしまいますが、 Puppy Linuxの場合はそのままでも大丈夫なようです。
USBメモリにコピーしたisolinux.cfg を syslinux.cfg にリネームし、 中身のうち pmedia=cd とあったところを pmedia=usbflash に変更します。 Windows上でメモ帳だと改行がありませんが、wordpadを使って編集することができます。
default puppy display boot.msg prompt 1 label puppy kernel vmlinuz append initrd=initrd.gz pmedia=usbflash timeout 50
これを Windows上で実行する方法がパピーリナックス日本語フォーラムなどに紹介されています。 ここでは syslinuxを Puppy Linux上で実行します。
Puppy Linuxが起動できるならばPuppyユニバーサル・インストーラがあるじゃないかと突っ込みがありそうですが、 表示の一部が英語だったり、それも表示色が見づらいくて、かなり不安です。なのでこれを使わず、次の手順で行います。
あらかじめUSBメモリも挿入しておき、ライブCDで Puppy Linuxが起動したら、デスクトップ上に内蔵ハードディスクやCDとともに USBメモリのアイコンが表示されているはずです。 USBメモリのアイコンの下には sdb1 などと表示されています。これを確認します。
USBメモリのアイコンが出ていなければ、USBメモリを抜き差ししてみます。 それでもダメなら、このページの最後に書いてある別法で調べます。
syslinux /dev/sdb1
以上でインストール作業は終了です。 CDを取り除き、パソコンを再起動、USBフラッシュメモリからの起動を選択してください。
Puppy Linuxがうまく起動し、デスクトップの表示までいったら、いったん終了します。 終了のときpup_save.2fsの保存を促すダイアログが出ます。 ほとんどデフォルトのままで大丈夫でしょう。 pup_save.2fsを初めて作るときは、かなり時間がかかります。 あせって電源を落とさず、じっくり待ってください。
Puppy Linuxの起動画面すら出ないだんまりや、内蔵ハードディスクから起動してしまう場合は BIOSの設定を見直してください。
Puppy Linuxの起動画面 (英文でヘルプがずらずらと出る)は出るが、 その後マウスやキーボードの選択ダイアログまでたどり着かない場合は、 次のような起動オプションを試してみます。 boot: の後に
boot: puppy acpi=off
一度は起動したが、pup_save.2fsの保存に失敗したらしく、おかしな様子だったら、 Windows で立ち上げて pup_save.2fs を消してしまってやり直します。 あるいは Puppy Linuxを次のような起動オプションで立ち上げます。
boot: puppy pfix=ram
日本語キーボードだと '=' はその右隣りの'^'のキーがそれかも。
Puppy Linuxに限っては次のコマンドが使えます。
パピーライブCDで起動し、USBメモリのアイコンが出てこなければ、USBメモリを抜き差しして、それでもダメなら端末から次のように入力します。
probedisk2
/dev/sda|drive|ST3500630A
/dev/sdb|usbdrv|Ut163 USB2FlashStorage
などと出てくるので /dev/sdb がUSBメモリであることはわかりますが、 パーティションの番号が分かりません。 次のコマンドを入力します。
probepart
/dev/sdb1|vfat|2008062
のような行を発見して、この場合 /dev/sdb1 がそのデバイス名であることが分かります。 まあ、ふつう /dev/sd?1 ('?'は a, b, c ...)です。