最新版でOpenSimをはじめる
本ブログ記事「オープンシムとは」で紹介しているリンク「自分のSIMを作る」(第3の人生 2)にはOpenSimによる仮想世界の構築が解説されています。しかし最近の状況では一部修正しなければならないことがあります。1. OpenSim.Ini の修正
http://opensimulator.org/ で公開されている最新版、この記事執筆時点で 0.9.2.1 ですが、これを使ってスタントアロンで運用するには OpenSim.ini を修正する必要があります。冒頭部分の [Const] セクションにある
;# {PublicPort} {} {PublicPort} {8002 9000} "8002"
PublicPort = "8002"
PublicPort = "8002"
となっているところ、PublicPort を 8002 から 9000 に変更します。
;# {PublicPort} {} {PublicPort} {8002 9000} "8002"
PublicPort = "9000"
PublicPort = "9000"
2. FireStorm viewer への追加登録
昔の記事では FireStorm ログイン画面のGridを選択で localhost を選ぶように指示されていますが、最近の FireStorm に localhost は登録されていません。あらたに追加登録しなければなりません。
FireStorm 環境設定の Opensimタブで localhost:9000 を登録します。
登録されてもグリッド名に localhost は現れません。なぜか「the lost contient of hippo」(失われたカバ大陸?)と表示されます。これを選択すればOKです。
(初稿:31 Jan 2023, 13:21)
Comments - Edit - Delete
ストリーミング・サーバー
さきに「ねとらじで土地音楽」という記事を書きました。手元にある音楽ファイルを「ねとらじ」に送ってSecondlifeや OpenSimで土地に音楽を流すものでした。今回は「ねとらじ」に相当するストリーミング・サーバーを自前で立てるというものです。共用の「ねとらじ」ではなく自前ですので、他人に気兼ねなく広い帯域を占有することもできます。
前提として、自宅PCあるいはVPSでLinuxベースのOpenSimあるいはWebサーバーを立てているか、その経験があるものとします。そうでなければハードルは高いでしょう。「ねとらじ」を利用しつづけることも選択肢です。
icecast2 と ezstream をインストールします。Ubuntu系であればインストールは簡単でしょう。
icecast2 は root で走らせることができません。icecast というユーザーとグループを作成します。ログは標準で /var/log/icecast2 に書き出されます。このディレクトリを作成し、ユーザー icecast の所有とします。このことを行うスクリプトを作成しました。設定ファイル icecast.xml と ezstream.xml の雛形と、著作権フリーの音楽ファイルを同梱したものを用意しました。ダウンロードのページから mycast.zip をダウンロードしてください。
mycast.zip を、パピーリナックスなら /mnt/home で、その他の場合は /home/hogehoge(hogehogeはユーザー名) で解凍してください。
解凍してできた mycastフォルダの中に mycast というスクリプトがあります。/usr/local/bin などパスの通る場所にシンボリックリンクを張ってください。パピーの場合は /root/my-applications/bin など。
/mnt/home に置いた場合は、このまま仮想ターミナルで起動します。
mycast
ただし mycast は初回のみroot権限が必要です。パピー以外のたとえば Ubuntu Linuxなどでは sudo を使って
sudo mycast
2回目から sudo は必要ありません。
このあとブラウザで http://localhost:8000/stream にアクセスすれば、琴の音が聞こえるはずです。
ストリーミングの停止は
mycast stop
/mnt/home 以外の場所に置いた場合は、解凍した mycastフォルダの中にある ezstream.xml をエディタで開き、次の部分のパスを修正してください。
<filename>/mnt/home/mycast/koto.mp3</filename>
以上が無事できたら、icecast.xml の
<hostname>localhost</hostname>
の localhost の部分を外部からアクセスできるホスト名あるいはグローバルIPに変更してください。ezstream.xml内にある locakhost はそのままで。あとはルーターのポートフォワーディングで TCP 8000 をサーバーのPCのLAN IP に転送設定するだけです。
音声ファイルの交換は、ezstream.xml を修正してください。
(初稿:29 Dec 2022, 20:05)
Comments - Edit - Delete
Vivoxでボイチャ
追記 ----------------------------Vivoxの Free Virtual Voice server は2021年5月25日をもって新規登録を停止しています。いずれサービスは全面停止される模様。
(Vivoxからのメール原文)
--------------------------追記おわり
Shinobar Annex リージョンで設定をしました。FireStormビューアーの最新版は FreeSwitchをサポートしていないらしく(FreeSwithのサポートは FS 6.0.2 まで。)、JOGでのボイチャはできません。代わりに Vivoxを使えとのこと。Vivoxは非商用に限って無料のボイスサーバーを提供していますが、許可が必要です。
Vivoxでボイチャをもとちゃさんが書いてくれていました。記事前半部分の申請方法が変わっています。担当者へメールを送るのではなく、Webページから申し込みます。
ステップ1 シェアサーバーの利用申請
Vivoxのページに「アカウントを作成する」がありますが、その必要はないようです。サーバー利用申請は別のフォームになります。「vivox opensim」で検索すると、次のページが見つかります。
Vivox | Free Virtual World Voice Service
メールアドレスとともに実名や実住所の入力が必要。個人の場合 Organization は不要です。
vivox.comから「Confirm your request for Vivox Free Virtual World Voice Service」というタイトルのメールが届くので、その中にあるリンクをクリックして申請は完了です。
申請してもすぐには許可が下りません。1週間ほどして「Credentials for Vivox Free Virtual World Voice Service for ...」のタイトルでボイスサーバーにアクセスするのに必要な情報が送られてきます。この情報は他人への口外が禁止されています。Free(no cost)であって、無料ではあるが自由ではありません。
ステップ2 Opensimサーバーの設定
OpenSim.Iniを修正。[FreeSwitch]セクションをそっくり削除、代わりにメールにある[VivoxVoice]のセクションを追加します。
[VivoxVoice]
enabled = true
; vivox voice server
vivox_server = www.*****.com
; vivox SIP URI
vivox_sip_uri = *****.com
; vivox admin user name
vivox_admin_user = *****-admin
; vivox admin password
vivox_admin_password = *****
enabled = true
; vivox voice server
vivox_server = www.*****.com
; vivox SIP URI
vivox_sip_uri = *****.com
; vivox admin user name
vivox_admin_user = *****-admin
; vivox admin password
vivox_admin_password = *****
以上の修正が済んだら Opensimサーバーを再起動。
ステップ3 土地・不動産の設定
SIMにヴューアーでログインして、「世界」→「土地/不動産」の「不動産」タグをひらいて「ヴォイスチャットを許可」にチェック。「土地情報」の「サウンド」タグで「ヴォイスを有効にする」にチェック。
ステップ4 FSビューアーの設定
ツールバーの「アバター」→「環境設定。
「サウンドとメディア」→「ボイス」タブでボイスチャットを有効にする」にチェックを入れる。
「入力・出力機器」をクリックし、機器選択。入力の選択が正しければ、マイクに向かってしゃべるとレベルメーターに音量が表示されます。ボリュームを調整します。
参考リンク
OSgridでヴォイス by もとちゃ
OSGのVivoxチュートリアル(英文)
Kiteky Gridでボイスチャットを有効にするビューアーの設定(英文)
(初稿:29 Mar 2021, 13:57)
Comments - Edit - Delete
ねとらじで土地音楽
ねとらじ は、誰でも自由に無料でネットラジオ放送ができるサービスです。これを使って、Secondlifeや OpenSimで土地に音楽を流そうという計画です。ねとらじ は、Icecast2を使ったサーバーです。これへデーターを送信するソフトが必要ですが、自宅PC内にある音楽ファイルを配信するには、Ezstreamというものがいちばんシンプルなようです。
PCは Linuxが走っているものを前提とします。Windowsで Ezstreamを動かす方法はあるみたいですが、Windowsのことは他の方に任せます。
Ezstreamのインストール
Ubuntu系であればインストールは簡単かと思います。私の場合、Puppy Linux の BionicPup64日本語版なので、Puppyパッケージマネージャで ezstreamをインストールすることができました。
Ezstreamの設定
Ubuntu系であれば、/usr/share/doc/ezstream/examplesにいくつか設定ファイルのテンプレートがあります。
PC上の mp3ファイルを送信するならば、その中の ezstream_mp3.xmlをベースにするのが良いでしょう。
私は /etc/ezstreamというディレクトリを作り、そこにさきの ezstream_mp3.xmlをコピーして、名前をezstream.xmlに変更しました。そして内容を次のように変更。
<ezstream>
<url>http://std1.ladio.net:8080/hogehoge</url> <sourcepassword>ladio</sourcepassword>
<format>MP3</format>
<filename>/var/stream/BGMkoto.mp3</filename>
<svrinfoname>BGM koto</svrinfoname>
<svrinfogenre>misc</svrinfogenre>
<svrinfodescription>BGM koto string</svrinfodescription>
<svrinfobitrate>32</svrinfobitrate>
<svrinfochannels>2</svrinfochannels>
<svrinfosamplerate>22050</svrinfosamplerate>
<stream_once>0</stream_once>
<svrinfopublic>0</svrinfopublic>
</ezstream>
<url>http://std1.ladio.net:8080/hogehoge</url> <sourcepassword>ladio</sourcepassword>
<format>MP3</format>
<filename>/var/stream/BGMkoto.mp3</filename>
<svrinfoname>BGM koto</svrinfoname>
<svrinfogenre>misc</svrinfogenre>
<svrinfodescription>BGM koto string</svrinfodescription>
<svrinfobitrate>32</svrinfobitrate>
<svrinfochannels>2</svrinfochannels>
<svrinfosamplerate>22050</svrinfosamplerate>
<stream_once>0</stream_once>
<svrinfopublic>0</svrinfopublic>
</ezstream>
8080 の部分は、ねとらしのサーバー一覧の中から空いているポートに決めます。
hogehoge の部分は自分のユニークな名前を付けます。
ladioは ねとらじサーバーの場合のパスワードです。ユーザー名は source ですが、これは既定値で、設定ファイルに書かなくて構いません。
svrinfo... は、ねとらじサーバーに知らせるだけで、土地音楽を再生する Firestormなどのビューアーはこれらをいっさい使いません。だから適当でいいのかな?
今回は音楽ファイルが1つだけなので、そのファイル名を直接書き込みました。
音楽ファイルが複数ある場合は/var/stream/playlist.m3u などを作り、それを fikenameセクションに指定します。ます。playlist.m3u はテキストファイルで、1行毎に音声ファイル名を書いたものです。
Ezstreamの起動
仮想端末から次のようにタイプします。
ezstream -c /etc/ezstream/ezstream.xml
放送の確認
設定ファイル ezstream.xmlの中で指定している Urlである http://std1.ladio.net:8070/hogehoge にブラウザでアクセスします。順調ならば、設定した音楽が聞こえるはず。
土地音楽の設定
さきのurlである http://std1.ladio.net:8080/hogehoge を土地音楽に設定します。多く出回っているラジオまたはJukebox では、中身に stationsというノートカードがあるので、そこに次のような1行を加えます。
Hogehoge=http://std1.ladio.net:8080/hogehoge
バックグラウンド起動
ezstream -c /etc/ezstream/ezstream.xml
で起動した場合、停止は Ctrl+C キーを押します。あるいは仮想端末を閉じれば終了します。
仮想端末からの起動のさい、末尾に'&'を加えるとバックグラウンドで動作し、仮想端末を閉じても実行は続きます、
ezstream -c /etc/ezstream/ezstream.xml &
停止するには
killall ezstream
音声ファイルのビットレート
ねとらじ では32kbpsが標準です、無料の共有サーバーなので、他の人に迷惑を掛けないよう、32kbpsにしましょう。Ezstreamは音声ファイルのビットレートをそのままに送信します。たとえば 192kbps ならそのままです。送信する音声ファイルは、何らかかの音声編集ソフトであらかじめ 32kbpsに変換しておきましょう。
参考リンク
JOGフォーラムに Butt や Mixxx などの配信ソフトが紹介されています。
(初稿:5 Jan 2021, 20:38)
Comments - Edit - Delete
JOG配布OpenSimを更新
JOG公式配布 opensim-0.9.0.1-jog_r02 がリリースされています。自前またはVPSでJOGに接続しているSIMを、これに更新する方法について記します。新規にJOG接続SIMを作る場合は JOGサポートサイトのチュートリアルをご覧ください。旧の OpenSim-0.9.0Dev などで接続、運用しているものとします。更新前に現在のリージョンを OARでバックアップしておくと良いでしょう。
Shinobar World Downloadのページから、JOG公式配布 opensim-0.9.0.1-jog_r02 あるいは opensim-0.9.1.1forJOG.tar.gz (opensim公式 0.9.1.1 releasをベースにJOG用に調整したもの)をダウンロードします。これを現在運用中のディエレクトリ、たとえば /opt/opensim などで展開します。
旧の OpenSim-0.9.0Dev などの bin/OpenSim.db および bin/Regions/Regions.ini の2つを新しい opensim-0.9.0.1-jog_r02 の同じ場所にコピーします。これだけです。
私の場合は OpenSim-0.9.0Dev を指し示すシンボリックリンクを opensim-0.9 として置いているので、それを 新しい opensim-0.9.0.1-jog_r02 に向けます。/opt/opensimに入って
ln -sf opensim-0.9.0.1-jog_r02 opensim-0.9
bin/OpenSim.ini はJOG配布のものをそのままにすることをお奨めします。複数のSIMを動かすためにポートを変更している場合は、OpenSim.ini 中の512行目あたり
; http_listener_port = 9000
を変更します。9010に変更するには
http_listener_port = 9010
行頭に「;」があるとコメントアウトとして無視されるので、取り除いてください。
(初稿:7 Dec 2018, 14:52)
Comments - Edit - Delete