使えるのか?日本のスパイ衛星

さきの東日本大震災に際し吉井議員は政府に対し情報収集衛星による画像公開を繰り返し求めた。情報収集衛星の目的には「大規模災害などへの対応」が第一に挙げられている。政府が画像公開を頑なに拒んだ理由は「安全保障上の理由」だった(国会論戦動画)。

「情報収集衛星の性能と運用状況が明らかになると」安全保障上まずいという政府答弁。本当のところ「公開すると、その能力のお粗末がバレて恥ずかしい」のではないかと私は想像した。どうやらそのとおりらしい。

米国と比べ日本の情報衛星は「人間の視力で言えば2・0と0・3ぐらいの能力差がある」との内閣官房幹部のコメントを読売新聞が2013年1月28日付で報じた(NewSphare)。

軍事評論家の神浦元彰氏はこうツイートした。
「情報衛星は他国に発注できない事情で国内発注。ライバルがいないので単独受注。価格はあってない売り手市場。軍事秘密に守られて欠陥は無関係。性能の悪さは画像解析者が低級と責任転嫁。こんな利権の巣窟に切り込むマスコミなし。強欲な政治家や官僚は甘い蜜で骨抜きに。ああ、こんな日本に誰がした。」

仮りに隣国との間に軍事的緊張があったにせよ、それを軍拡競争へ持っていこうとする論調には、眉に唾して掛からなければいけない。




Posted on 8 Feb 2013, 14:55 - カテゴリ: 国防軍
Comments - Edit - Delete


戦争する気あるの?

腹が減っては戦はできぬ。

幕末の島津藩は小高い丘にことごとく要塞を作り、そこに薩摩芋を植えた。サツマイモは痩せた土地でも収穫できる優れものだ。薩摩藩はこの苗を藩の外に持ち出すことを禁止した。

さきの大戦で日本軍の戦死者は200万に及ぶと言われている。その多くは敵の銃弾に当たったのではなくて兵站の欠如による餓死や、栄養失調が重なっての病死だった。

安倍(自民党総裁)は自衛隊を「国防軍」に昇格させると言っているし、橋下(日本維新の会代表代行)はGDP1%枠を超えて戦力を増強すると言っている。しかしいくら兵器を揃えたところで、食料自給率39%、エネルギ自給率4%で戦えるのか。どう考えても無理に決まってる。それが分かりきっているのに威勢の良い言葉を吐く彼らはウソをついているに違いない。

TPPに参加すれば食料自給率は13%にまで下がるとの試算もある。維新の会、みんなの党はTPP推進。自民党もいずれTPP推進に走るだろう。彼らにこの国を防る気があるのかどうか。


Posted on 8 Jan 2013, 9:50 - カテゴリ: 国防軍
Comments - Edit - Delete


国防軍(2)治安出動

暴走老人曰く「今度の選挙で自民党が過半数を取るのだろう。そしたら憲法を改正して欲しい。我々も賛成しますよ。」と、言うので自民党の「日本国憲法改正草案」を見てみた。天皇を元首とするとかいろいろ物議はあるけれど、現行憲法9条をどう変えようというのか、「国防軍」とは何かが気になって一読し、おったまげた。

日本国憲法改正草案第9条第2項: 前項(戦争の放棄)は「自衛権の発動を妨げるものではない」

「国防軍」は続く第9条の2で規定している。

日本国憲法改正草案第9条の2: 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する

ふむふむ。他国から攻められたときに出動するのが国防軍ね。だが、他に2つ、国防軍が出動するケースがある。

日本国憲法改正草案第9条の2第3項: 「国防軍は、第1項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。」

前半は「集団自衛権」すなわち日本が攻められなくともアメリカの仕掛けた戦争にも派兵できるというもの。ここまではすでに見たとおり。

第9条の2第3項の後半には重大なことが書かれている。「公の秩序」「国民の生命もしくは自由」を守るためならば国内で自国民に対しても銃口を向けても良いとされる。

戦前の大日本帝国憲法下で軍隊は天皇の指揮下にあり、憲法の外だった。その軍隊は中国大陸やアジア各地で、朝鮮半島と台湾で暴虐を尽くしたが、日本国内(本土)で自国民に銃口を向けることは(あまり)なかった。それは特別高等警察の仕事だった。
軍隊が自国民に対して銃口を向けてはならないというのは近代国家の常識(映画『マーシャル・ロー』などを見よ)。改正憲法を起草するなら、それくらいの常識は持ち合わせてほしい。

近代国家の常識を記しておく。国民の生命と財産を守るために近代国家には3つの組織がある。警察と消防、それに軍隊。この3つの分担は、国民の生命、財産を脅かす相手が誰かによる。それが不逞の輩=人間の場合は警察、その他の事故や自然災害、あるいは病気などの場合は消防が管轄となる。軍はそれが他国の場合に限られる。自国民に銃口を向けることができるのは警察だけ。あるいは消防はたとえば延焼を防ぐために隣家の住民を追い出し、家屋を強制的に壊すことも許される。

しかし、軍は自国民に対していずれの強制力も行使することができない。これが歴史の経験を経ての近代国家の常識だ。老人ひとりの暴走ならばともかく、これが一政党の正式決定の案とは日本も恐ろしい時代に入ったものだ。


Posted on 27 Oct 2016, 23:21 - カテゴリ: 国防軍
Comments - Edit - Delete


国防軍(1)海外派兵

「集団的自衛権」という言葉が聞こえてくる。これは何か。

他国から見ても事実上も日本の自衛隊は軍隊だ。いっぽう憲法9条は戦争の放棄と軍隊を持たないことを規定している。

おかげで自衛隊は「専守防衛」ということになっていて、海外派兵はできない。イラクへは「派兵」ではなく「派遣」だから、イラク国内のどこならドンパチしなくてよいかの議論があった。それでももし攻撃されれば反撃するため武器を持っての「派遣」だった。

「集団的自衛権」というのは日本が攻撃を受けなくても、アメリカが攻撃を受ける、あるいはその恐れがあれば自衛隊が出動できるというものだ。つまり誰かの言う「国防軍」の「国」とは日本のことではない。自衛隊を米国防衛軍とするものだ。

そもそもあのイラク派遣はどういうものだったのか。イラクは過去にアメリカも日本も1度も攻撃したこともないし、その恐れも無かった。アルカイダとの関係、大量破壊兵器、そのいずれもCIAによるでっち上げだった。当時の小泉首相は何の根拠も示さず「アメリカの言うことだから正しい」と追随したのだった。

「集団的自衛権」とはそういうものだ。国防軍には難色を見せても、集団的自衛権を認めるという言葉を公約の中に見つけたら、その候補者、政党には投票しないで欲しい。


Posted on 1 Jan 2013, 10:33 - カテゴリ: 国防軍
Comments - Edit - Delete


Pages: ... [2] [3]